2018 Fiscal Year Research-status Report
肺高血圧リハビリテーションとしての鍼刺激療法の有効性~動物モデルでの検討~
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18K10695
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山本 裕美 近畿大学, 医学部, 講師 (10528582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 徹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30243752)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / 鍼刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、これまでにも鍼刺激の自律神経活動及び循環調節機能に及ぼす影響について研究を行ってきた。肺高血圧症においては、近年様々な薬剤の開発が進んではいるものの予後改善に有効とされる治療が限られおり、現在も予後不良疾患とされている。鍼刺激は刺激局所の血流改善及び筋弛緩作用をもち、交感神経抑制による循環調節作用をもつ。つまり、肺高血圧症に対し鍼刺激を行うことで、呼吸筋のリラクゼーションおよび肺血管抵抗低下作用、また交感神経抑制による心不全の病態自体への効果が期待出来ると考えられる。本研究では、肺高血圧症患者の予後改善を目指し、まずは肺高血圧動物モデルに対し外部からの低侵襲刺激である鍼刺激を行い、短期的・長期的な血行動態への影響、および予後について科学的に検証するとともにその有効性を明らかにすることを目的としている。鍼刺激が現在臨床で行われている高額な薬剤治療を補完し、ひいては減薬を可能とし、またその進行性障害の予防や薬物治療抵抗症例への有効性が証明できれば、医療経済的にも非常にメリットが大きいと考える。初年度は、モノクロタリンによる肺高血圧モデルラットを作成し、血行動態に影響を及ぼす鍼刺激部位の特定を行った結果、影響のあるいくつかの刺激点が同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もう少しモノクロタリンモデルでの検証が必要だか、ある程度の傾向はつかめており、次年度は予定通りSU5416による肺高血圧モデルでの検証にいけそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はSU5416による肺高血圧モデルラットでも同様の応答があるか検索し、長期予後について検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究応募時に予定していた実験計画で購入予定であった備品について、決定支給額では足りなかったため、実験のプロトコールを変更して施行せざるをえなかったため、使用額が大幅に変わってしまった。次年度以降、老朽化した備品や、慢性実験時の病理学的検査費等への使用を考えている。
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