2019 Fiscal Year Research-status Report
肺高血圧リハビリテーションとしての鍼刺激療法の有効性~動物モデルでの検討~
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18K10695
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山本 裕美 近畿大学, 医学部, 講師 (10528582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 徹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30243752)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 鍼刺激 / 肺高血圧 / 血圧低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自律神経活動及び循環調節機能に影響を及ぼす鍼刺激が、肺高血圧の病態に与える影響について検証しその有効性を明らかにすることを目的としている。2018年度にはモノクロタリンによる肺高血圧モデルラットを作成し、動脈圧、脈拍数および右室圧(肺動脈圧の代用)の観察下に血行動態に及ぼす鍼刺激部位の特定作業に着手した。年度内の検証個体数が十分でなかったため、2019年度も引き続きモノクロタリンモデルラットに対し鍼刺激を行った結果、耳介、前胸部、下腿への刺激において血行動態に変化を生じることがわかった。 鍼刺激による血行動態の変化については、体血圧は維持され右室圧が低下することを予想していたが、刺激部位毎に圧変動幅は異なったが、圧変化の方向に部位毎の違いは認められず、いずれも体血圧、右室圧ともに低下する傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
モノクロタリンによる肺高血圧モデルラットで有効性を確認したのち、肺高血圧発生機序の異なるSU5416によるモデルラットで鍼刺激の検証を行う予定であったが、当初の我々の仮説とは異なり、体血圧低下に伴う肺動脈圧低下(右室圧低下)を来している可能性が高く、病態に対する鍼刺激の有効性は低いと推察されたため、SU5416による肺高血圧モデルラットに対する実験継続は一旦保留とした。今後の実験計画の見直しが必要であったため、実験計画の進捗に遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画の見直しを検討していたところ、研究代表者が職場を移動することとなったため、動物実験の継続が難しく、またCOVID19感染の影響もあり、都道府県外への移動が難しくなったこともあり、動物実験の継続は事実上不可能と考えられる。そのため、肺高血圧を含む心不全患者に対する鍼刺激の有効性を検討する臨床研究を計画する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度の途中で実験計画の大幅な見直しが必要となり、また研究代表者の2020年度からの職場移動が決定し、新たに臨床研究の計画を組み直さなければならなくなった。よって、新年度となってから、新しい職場の状況を把握した上で、臨床研究に必要な物品を購入する必要があったため。
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