2018 Fiscal Year Research-status Report
The study of driving fitness for patients with aphasia.
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18K10698
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
加藤 徳明 産業医科大学, 医学部, 講師 (50593365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
岡崎 哲也 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (40352314)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 失語症 / 自動車運転 / 神経心理学的検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、失語症患者において、成績が低くなる注意・遂行機能検査を知り、運転適性評価に利用できる検査を明らかにし失語症独自の基準値を設定することである。さらに、成績の低かった失語症患者に経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS)を実施し失語症が改善することで注意・遂行機能を把握しやすくなるか、さらに注意機能が改善し運転適性が向上するかを検証する。 平成30年度は,過去に運転適性評価を実施した患者(非失語症も含む)の神経心理学的検査をまとめ解析を実施した。90名の患者が実車評価を実施していたが、不合格者は15名でそのうち失語症者は6名と少なかったため、失語症者のみで実車評価が不合格になる各検査の基準を求めるのは困難であった。今回は、実車評価を合格した75名の中で、失語症者22名と非失語症者53名の成績を比較した。失語症者で有意に成績が低くなる検査は、Mini-Mental State Examination, Trail Making Test Part-B, 標準言語性対連合学習検査, Symbol Digit Modalities Test, Visual Cancellation Task[3][か] であった。これらの運転に関する基準値を定めることは今回は困難であるが、失語症者の判定には、言語の影響がない有意差を示さなかった検査を利用した方がよい可能性もある。今後の3年間で症例を蓄積し、実車評価不合格者が増えれば、失語症者のみで成績を比較したり、多変量解析で重要な検査を明らかにすることができると考えている。 学会発表に関しては,国際学会では本研究でも評価として用いる簡易自動車運転シミュレーターに関する報告を行った。その他の学会は、過去の患者に関する上記結果の途中経過を報告した。また、脳障害者や失語症者の認知機能と運転能力がどのように関わっているのか情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の準備のためにHondaセーフティナビ3画面の購入手配を早急に行い、比較的スムーズに準備が整った。しかし、本研究に関する当大学の倫理申請を行ったが、予想以上に時間がかかり修正等を数回繰り返した。結局は受理されたものの、成績が低い失語症者に対するtDCS介入に関しては今年度は1~2名に実施する予定であったが、実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
定期的に自動車運転評価希望の患者は紹介受診しており、失語症を合併している方も多いため、残りの期間も非失語症者と失語症者の運転評価のデータは順調に収集でき、失語症者で成績が低くなる検査に関してより精度が高い検定ができる予定である。 失語症者へのtDCSの実施は平成31年度(令和1年度)、令和2年度で10名ずつの患者を予定しているが、達成可能な人数と判断している。紹介が少ない場合は、運転評価目的ではないが運転経験がある失語症者に研究参加を依頼することも検討する。
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Causes of Carryover |
Hondaセーフティナビの3画面化に関して、過去に使用していたハンドルやブレーキその他の付属品を利用することができたため、出費を抑えることができた。ただし、tDCSは本年度は実施できておらず、スポンジや電極、ケーブルなどの使用物品の購入やメンテナンスをしていないため、来年度に行う必要がある。来年度の助成金の直接経費は20万円であり、未使用額は消耗品の破損や劣化に伴う出費、学会発表・参加費等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)