2020 Fiscal Year Research-status Report
温熱プレコンディショニングによるシスプラチン誘発性腎障害軽減の機序解明
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18K10699
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
岩下 佳弘 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (70623510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯山 準一 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (00398299)
桑原 孝成 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00393356)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 温熱プレコンディショニング / TRPV4 / シスプラチン / 熱ショックタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
7-8週齢の雄のC3H/Heマウスを対象をコントロール、シスプラチン投与のみ、温熱プレコンディショニングの実施後にシスプラチンを投与した群、TRPV4チャネルを薬理学的に阻害した上でプレ温熱を実施し、シスプラチンを投与した群に分け、温熱プレコンディショニングの腎保護効果を確認した。プレ温熱群およびTRPV4チャネルを阻害した群の両方において、シスプラチン投与群に比して、血漿クレアチニン値の低下、尿細管傷害の軽減が認められた。細胞実験では、TRPV4チャネルの阻害は熱ショックタンパク質の発現を抑制したことから、TRPV4阻害剤に腎保護効果があり、プレ温熱とは異なった機序により作用したと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新コロナ禍において、教育業務の割合が増え、また大学院生を含めた研究員の密を避け、時間も短縮して実施しているためやや研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験により、TRPV4の薬理学的阻害によってもシスプラチン腎症の軽減効果があることが確認された。今後TRPV4の阻害実験と同様にTRPV1を薬理学的に阻害した状態でのプレ温熱の効果を確認する。
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Causes of Carryover |
新コロナ禍により、実験日程を延長する必要が生じたため。期間延長承認申請済み。
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