2021 Fiscal Year Research-status Report
立位能力と下腿筋量に焦点を当てたフレイルの客観的評価と理学療法介入時期の検討
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18K10705
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲岡 プレイアデス千春 金沢大学, 保健学系, 助教 (90507386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺井 仁 金沢大学, 保健学系, 教授 (50167871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フレイル / 立位バランス / 筋厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により高齢者を対象としたデータ収集は行われなかった。既存データを用いて①半年でBBS得点(バランス能力)が減少した場合、減点されやすい項目を調査②BBSの減少と筋力・歩行速度の関連性を調査した。地位在住高齢者とデイケア利用者をBBS減少群とBBS維持・改善群に分類し、半年の間隔で2回測定した握力最大値、歩行速度(快適・最大)、超音波による下腿筋厚(ヒラメ筋、腓腹筋)の関係を比較検証した。 群内比較により、BBS減少群で、半年後に握力最大値の有意な低下が認められた。群間の測定2回目ではBBS維持・改善群は減少群より有意に握力値が大きかった。BBS検査項目の中では、BBS減少群において、半年後に一回転スコアの有意な低下が認められた。またBBS維持・改善群で、タンデム立位スコアの有意な改善が認められた。下腿筋厚の変化は郡内・群間供に有意な変化は認められなかった。 握力最大値は、BBS減少群は半年後に低下し、BBS維持・改善群は維持した。また測定2回目では、BBS維持・改善群の方が有意に大きかった。バランス障害群では握力や一部下肢筋力が有意に小さいという報告があり、本研究結果より、BBSが低下していくと、握力も低下していくことが示唆された。BBS検査項目について、静的バランス項目は、2群ともに有意な変動がなく、概ね維持していると考えられる。その一方BBS減少群において、一回転スコアは半年後に有意に低下した。この原因として、一回転スコアの採点基準は、安定性と所要時間であり、素早い一回転の運動能力が減退したと考えられる。また一回転では身体方向が常に変化するため、筋力及び平衡感覚の低下が影響して減点につながった可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大のため令和3年度のデータ収集を行うことができなかったから。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染収束後直ちに再開しデータ収集と解析を続け、6か月毎に被験者らのデータ収集を行う。①高齢者を対象にして毎回、健常者群、プレフレイル群、フレイル群、に再分類し、立位保持能力、下腿筋厚を2年間定期的に測定する。そして各群、特にフレイル群における筋厚および立位姿勢安定性の客観的なデータを明確にし、これらのデータと身体活動量、およびバランススケールとの関係を明らかにする。②そして、これらのデータをもとにプレフレイル若しくはフレイルと判定された方々に対して適切な時期に適切な理学療法を行うことができるようになるものと確信する。例えばプレフレイル群からフレイル群というように群を移行した方々の測定値の変化率をもとに、理学療法介入の客観的なタイミングと適切な介入内容とを明らかにする。
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Causes of Carryover |
(理由)予算上、計画していた2021年度で行うデータ収集が新型コロナウィルスの感染拡大により中止していることで次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度使用額については、被験者データ収集を依頼するための謝金等に充てる予定である。
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