2022 Fiscal Year Research-status Report
立位能力と下腿筋量に焦点を当てたフレイルの客観的評価と理学療法介入時期の検討
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18K10705
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲岡 プレイアデス千春 金沢大学, 保健学系, 助教 (90507386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺井 仁 金沢大学, 保健学系, 教授 (50167871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フレイル / 立位バランス / 筋厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により高齢者を対象としたデータ収集は行われなかった。既存データを用いて歩行補助具使用者と独歩可能の高齢者において、歩行・バランス能力測定(快適歩行速度、最大歩行速度、BBSスコア、前方リーチ(以下FR)距離、片脚立位時間)について一定期間を空け2回測定することで、歩行補助具使用者の歩行・バランス能力低下の有無を検討した。 独歩群対歩行補助具使用群の比較より、歩行速度(快適、最大)、BBSスコアは1回目、2回目共に独歩群が大きく、片脚立位時間においては2回目で独歩群が有意に大きかった。握力は有意差がみられなかった。 群内での1回目対2回目の比較より、独歩群で快適歩行速度は有意に上がり、FR距離は有意に下がっていた。独歩群の最大歩行速度、BBSスコア、片脚立位時間及び歩行補助具使用群に有意差はみられなかった。 群内比較で独歩群の快適歩行速度が増加した理由として、本研究の対象者は独歩もしくは歩行補助具使用により歩行が自立していることや、デイケア利用により運動を継続していることが挙げられる。独歩群、歩行補助具使用群共に最大歩行速度、BBSスコア、片脚立位時間に有意な変化がみられなかったことは、ある程度歩行・バランス能力を維持することができていると考えられる。独歩又は歩行補助具を使用していても、歩行・バランス能力をある程度保つことができると示唆された。しかし、歩行補助具を使用している群は応用的立位の片脚立位を保つ時間が減少しやすい可能性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大のため令和4年度のデータ収集を行うことができなかったから。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染収束後直ちに再開しデータ収集と解析を続け、6か月毎に被験者らのデータ収集を行う。①高齢者を対象にして毎回、健常者群、プレフ レイル群、フレイル群、に再分類し、立位保持能力、下腿筋厚を2年間定期的に測定する。そして各群、特にフレイル群における筋厚および立位姿勢安定性の客 観的なデータを明確にし、これらのデータと身体活動量、およびバランススケールとの関係を明らかにする。②そして、これらのデータをもとにプレフレイル若 しくはフレイルと判定された方々に対して適切な時期に適切な理学療法を行うことができるようになるものと確信する。例えばプレフレイル群からフレイル群と いうように群を移行した方々の測定値の変化率をもとに、理学療法介入の客観的なタイミングと適切な介入内容とを明らかにする。
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Causes of Carryover |
(理由)予算上、計画していた2022年度で行うデータ収集が新型コロナウィルスの感染拡大により中止していることで次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度使用額については、被験者データ収集を依頼するための謝金等に充てる予定である。
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