2018 Fiscal Year Research-status Report
抑うつや不安症状を有する軽度認知症患者に対する認知バイアス修正の効果検証
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18K10713
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田平 隆行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50337432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10468324)
小川 豊太 (濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知バイアス修正 / 軽度認知症 / 不安症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,認知症患者に含有率の高い抑うつ状態や不安などの心理症状に対する認知的側面への新しいリハビリテーションプログラムとして認知バイアス修正(Cognitive Bias Modification:CBM)を導入し,その効果を明らかにすることである.本年度は,抑うつ及び不安症状を有する軽度認知症患者のリクルートと健常者を対象にプレ実験として注意バイアス修正と記憶バイアスを修正の測定を実施した.軽度認知症患者のリクルートは,3か所の認知症デイケア及び通所介護施設において3例に対し実施した.健常者に対する注意バイアス修正と記憶バイアス修正のプレ実験は,5名実施した.A注意バイアス修正は,注意バイアス修正リサーチシステムABMトレーナー(ideoquest社)を使用し,画像刺激は,2対(脅威表情と中性表情)16パターンであり,画面上下の表情画像の中性表情を対応するボタンで反応する課題を行った.合計128回の反応時間と正否がカウント可能である.記憶バイアス修正は,画像刺激提示機器にて記憶する刺激を指示したのち,脅威・中性・肯定表情をランダムに提示し,脅威刺激のみ,中性表情のみ,肯定表情のみ反応する課題をそれぞれ実施するものである.現在,刺激の選定を行っている.また介入準備として,中性表情及び肯定表情のみ反応する課題,合計128回の正答率と反応時間を測定し,画像刺激に同期した事象関連電位の波形のチェックを行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軽度認知症患者のリクルートが,症例の少なさから若干遅れているものの,その分健常者に対するプレ実験が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
抑うつ及び不安症状を有する軽度認知症患者のリクルートを進め,今年度は20人を対象にABMを実施する予定である.NBMについてはプレ実験にて刺激画像を決定し,抑うつ及び不安症状を有する軽度認知症患者10名程度に実施する予定である.
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Causes of Carryover |
備品費が少額で購入可能であったためであるが,次年度は人件費及び論文掲載料が当初予定より必要となる.
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