2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of Cognitive Bias Modification on Mild Dementia Patients with Depression and Anxiety Symptoms
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18K10713
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田平 隆行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50337432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10468324)
小川 豊太 (濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ABM / 抑うつ / 不安 / 軽度認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,認知症患者および軽度認知障害(MCI)に含有率の高い抑うつ状態や不安などの心理症状に対する認知的側面への新しいリハビリテーションプログラムとして認知バイアス修正(Cognitive Bias Modification:CBM)を導入し,その効果を明らかにすることである.ABMは,刺激の感情価等の性質によって生じる注意の偏りを修正するプログラムであり,うつ病や不安障害で効果を示してきた.本年度は,COVID-19の影響により通所介護事業所の閉鎖および外部者の立ち入り禁止が続き,対面でのデータ収集が極度に減少した.しかしながら,なんとか数名のデータ収集ができた. 抑うつ及び不安症状を有する軽度認知症高齢者13名(男性3名,女性10名,平均年齢85.9±5.7歳,MMSE22.5±6.8)の注意バイアス修正(Attention Bias Modification;ABM)の反応時間とMMSE,行動心理症(Neuropsychiatric Inventory;NPI),老年期うつスケール(Geriatric DepressionScale15;GDS15)との相関分析を行った.中性刺激を標的としたABM課題では,反応時間とGDS15の有意な相関が認められ,抑うつ反応と注意バイアスとの関連が明らかとなった.また,脅威刺激を標的とした反応時間と,中性刺激を標的とした反応時間の割合(バイアス率)はNPI総得点と有意な関連(r=0.35)を示した.BPSDの出現頻度と脅威刺激に注意が向きやすい注意バイアスとの関連が明らかとなった.しかし,ABMの即時効果は認められず,N数の問題が残された.今後,データ数を増加し,また8週間の中期的介入効果の検証も実施する必要がある.
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Research Products
(2 results)