2018 Fiscal Year Research-status Report
発達障害に併存する視覚性認知機能障害の早期検出と実用性の研究
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18K10722
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
金子 真人 国士舘大学, 文学部, 教授 (40448923)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視覚性認知機能 / 立方体透視図 / 立方体トレース / 描き下し過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の目的は、立方体透視図の模写(CCT)の定性的評価法の標準化および立方体透視図のトレース(TPT)の書き下し過程の基礎的データを収集することである。 CCTに関する標準化の解析は、5段階評価から6段階評価へと細分化を行いほぼ標準化を終えることが出来た。そして研究成果を学術論文へ投稿する段階まで進めることが出来た。 TPTに関しては、トレース後の評価解析にて視覚性認知機能の検出に実用上の限界を来したため、描き下し過程の解析に主眼を移し「ことばの教室」など似通う児童を対象として50名以上のデータ収集を終えたところである。 最後に、本件研究結果によって視覚性認知機能が疑われる児童を対象として、視線追跡装置による実証的検討を行う予定である。そのため視線追跡装置の機材準備を終え、導入のための技術的スキルを練っている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立方体透視図の模写(CCT)と立方体透視図のトレース(PPT)について基準値の作成を試みた。定型発達児を対象にCCTに関して、定性的評価を5段階から6段階へと細分化し標準化を終えた。また、本件研究結果は学術誌へ投稿を行い受理されたところである。 一方、PPTに関しトレースによる描き方の解析からは、明確、かつ特定の傾向を見いだすことが出来なかった。そのため描画過程に注目して描画過程の記録から解析指標のヒントを得るために更なる動画解析の検討を行っているところである。特に、学習障害の疑いなどで「ことばの教室」に通級している児童を対象に描き下し過程について描画過程の分析を進めることで視覚認知機能を評価しうる評価指標を検出できるのではないかと精査中である。 また、視覚性認知機能が疑われる児童を対象に視線追跡装置を準備し、現在、機材の調整をはじめている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、成人認知症の方を対象としてPPTの予備的データを収集開始している。小児で得られたCCTに関する知見が後天性大脳機能障害例である認知症の方にも認められるか否か、あるいは他の所見が得られるかなどを検討することで視覚性認知機能の新たな評価視点を検討する予定である。 さらに視覚性認知機能の困難さを検出した児童を対象として視線追跡装置による描画過程のデータ収集の検討を開始する機材準備を終えたところである。適切な対象児童の検出を待って視線追跡装置によるデータ収集を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
透視図の描き下し過程を記録したビデオ画像を解析するための機器とソフトを購入するため使用する予定です。
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Research Products
(1 results)