2018 Fiscal Year Research-status Report
予後予測因子解明に向けた吃音のある幼児の発話関連能力の縦断的調査
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18K10735
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
酒井 奈緒美 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 研究室長 (60415362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 景子 東京工科大学, メディア学部, 助教 (20623713)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 吃音 / 幼児 / 発話運動 / 音響的特徴 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、実験環境の整備と対象者の募集、収集するデータの検討と調査の開始を目標として掲げていた。まず、先行研究に基づき、収集するデータを①吃音の頻度と重症度、②発話に関連する運動能力(構音の正確性・構音可能速度・運動テンポの安定性)、③親子の自由遊び場面における発話速度の3つに決定した。加えて、信頼できる行動データ収集のための対象者への教示方法の検討を行った上で、所属機関において倫理審査を受審した。その後、実験実施に先立ち、クリアな音声収集を確保するために録音環境の整備、機器の選定を行った。準備が整ったところで、予備調査として非吃音児1名(5歳)を対象に実験を実施したところ、実験所要時間が比較的長くなり注意が持続しないことから(途中に遊びなどの休憩を挟む)、数回の来所に分けて実験課題を実施する必要があることが判明した。また同時に、所属機関病院にて言語訓練を受けている症例に実験協力を募ったが、訓練とは別に、継続的に実験室にてデータを収集することへの協力が得られなかった。これらの結果から、分担研究者と協議を行い、各実験課題の実施を確保しつつ、継続的にデータを収集するために、言語訓練実施時に訓練室にてデータを収集するよう実験環境の変更を行うこととした。今後、言語訓練室においてクリアな音声収集のための環境づくりと、倫理審査(変更)申請を行う予定である。なお、予備調査の1名の対象児のデータを元に、分析方法の開発を行い、分析手法の有効性は確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績に示した通り、予備調査によって、実験方法の見直しを行う必要があることが判明したため、また計画通りの実験実施では協力者が集まらないことが判明したため、実験計画について再度の協議が必要となり、実験の開始が遅れている。また、並行して進めている幼児吃音に関する研究(研究課題名:発達性吃音の最新治療法の開発と実践に基づいたガイドライン作成;資金源:日本医療研究開発機構)が研究期間最終年度となり、データの取りまとめ等に割くエフォートが多くなったため、相対的に当該研究に割くエフォートが少なくなったことも遅延の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、言語訓練室においてクリアな音声収集のための環境づくりと、倫理審査(変更)申請から開始する。元来の計画からの主な変更点は、対象児の物理的・心理的負担を軽減するために、①言語訓練室にてデータ収集を行うこと、②当初の予定より頻度を減らしおおよそ3ヶ月に1回の頻度でデータ収集を行うこと、③データの収集を言語訓練担当の言語聴覚士が主に担当することの3つである。倫理審査終了後は、再度協力者の募集を行い、調査を開始することを予定している。得られたデータについては、その継時的変化、また各種データ間の関係性について、構音の正確性や速度および発話の音響特性の観点から分析を進める。吃音の評価は研究代表者が、発話・運動に関連する能力の分析は主に研究分担者が担当する。
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Causes of Carryover |
今年度は予備実験のみの実施で本実験を開始できず、研究協力者への謝金、データ加工処理を担当する補助員へのアルバイト費用の支払いが不必要となった。またデータ分析も本格的には開始していないため、PCの購入も行っていない。これらのことから、次年度への繰越金が生じた。今後は、分析に耐えうるPCの購入、各種謝礼金の支払い、研究遂行のための情報収集や研究成果発表を目的とした各種出張等に、繰り越した研究費を充てる予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] The factor structure of the Japanese version of Liebowitz Social Anxiety Scale in people who stutter2018
Author(s)
Haitani, T., Sakai, N., Mori, K., Hojyo, T., A-Rong-Na
Organizer
One World, Many Voices: Science and Community, Joint World Congress in Japan 2018
Int'l Joint Research
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[Presentation] Incidence of stuttering and related factors at the three-year-old checkup in Japan.2018
Author(s)
Sakai, N., Kobayashi, H., Hara, Y., Miyamoto, S., Kikuchi, Y., Sudo, D., Mori, K
Organizer
One World, Many Voices: Science and Community, Joint World Congress in Japan 2018
Int'l Joint Research
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