2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of sarcopenia-induced cardiac function alteration and functional improvement via skeletal muscle regeneration in the ischemic heart.
Project/Area Number |
18K10737
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
竹原 有史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (90374793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川辺 淳一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10400087)
田中 宏樹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70596155)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | サルコペニア / 心臓悪液質 / オートファジー / miRNA / 不全心筋回復障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018-2020年度の検討で、後天的サルコペニア誘導心筋虚血マウスにおいて心機能の回復障害が観察される事が明らかとなった。この現象はサルコペニア誘導による循環血液中exosomeのmiR-16-5p発現亢進との関連が示唆され、骨格筋、心筋におけるmiR-16-5p発現増強が誘因となっていた。一方、in vitroではmiR-16-5p mimicは新生児ラット心筋細胞(NRVM)のアポトーシス誘導を亢進させた。網羅解析の結果同定されたmiR-16-5pのtarget gene;SESN1遺伝子が低酸素負荷NRVMにおいて発現抑制され、下流シグナルであるmTOR蛋白発現を亢進、オートファゴソームの形成を抑制し、結果アポトーシス亢進を生じさせることが明らかとなった。最終年度では、循環血液中miR-16-5pの虚血心筋に対する直接的な影響を評価する目的で、非サルコペニア誘導心筋虚血マウスに対し、miR-16-5p mimicプラスミドを投与し、その影響を検討した。アテロコラーゲンに含有させたcontrolとmimicプラスミドを虚血再還流後翌日のマウスに経尾静脈より全身投与を行ったところ、controlプラスミド群においては投与後7日目の心機能(左室駆出分画 LVEF)が10%程度回復するのに対し、miR-16-5p mimicプラスミド投与群では心機能の回復を認めなかった(ΔLVEF -5%)。この事実は、心筋虚血マウスにおいて循環血液中exosomeのmiR-16-5p発現亢進が直接的に心筋細胞に作用し、心筋の回復障害を惹起することを示している。従って、後天的サルコペニア誘導心筋虚血マウスにおいては、循環血液中exosomeのmiR-16-5p発現亢進が心筋細胞の機能的オートファジー不全を惹起し、結果としてアポトーシスを誘導し、心機能の回復障害を生じさせると考えられた。
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Research Products
(2 results)