2021 Fiscal Year Research-status Report
COPDの身体活動性向上における呼吸リハビリテーションとアイリシンの役割の検討
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18K10738
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐野 正明 秋田大学, 保健管理センター, 准教授 (30323140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 隆信 秋田大学, 医学系研究科, 名誉教授 (90170852)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | COPD / 呼吸リハビリテーション / 身体活動性 / アイリシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は市立秋田総合病院呼吸リハ外来のCOPD患者で進めている。研究分担者の塩谷らは、男性COPD患者において、最大静的吸気口圧(PImax)と対予測値割合(%PImax)を測定した。6MWD<350mを機能的運動不耐性と定義し、多変量ロジスティック回帰モデルでは、PImaxと%PImaxと6MWDは有意相関し、PImaxと%PImaxのAUCは同等で(0.87と0.83)、閾値は45.1cmH2O、66%であった。COPD男性における吸気筋力の閾値は、350m以上6MWDを達成するための吸気筋力を評価し、吸気筋トレーニングの対象とする患者の選定に有用であるとした。(Respir Med,188, 2021) また、男性COPDにおいて、大腿四頭筋等尺性最大随意収縮(QMVC)を測定し、体重(QMVC-BW)、身長の2乗(QMVC-H2)、肥満度(QMVC-BMI)で補正したQMVC値を求めた。多変量ロジスティック回帰モデルでは、QMVCとQMVC-H2が6MWDと有意に相関し、QMVCとQMVC-H2の運動能力低下を予測する閾値は、26.2kgと9.6kg/m2であった。男性COPDにおけるQMSの閾値は、6MWD≧350mを達成可能の評価に有用であることを示した。(Prog Rehabil Med, 6, 2021) 第31回日本呼吸ケア・リハ学術集会において、COPD患者の低強度身体活動量(LAP)を測定し、LAPを従属変数、年齢、体格指数、対標準1秒量、握力、PImax、6MWD、歩行速度を独立変数として重回帰分析を行い、回帰式LAP=31.909×歩行速度+0.202×PImax-20.553を得た。回帰式による予測値と実測値の回帰分析の結果中等度の相関関係(r=0.609、p<0.001)が得られ、回帰式により低強度推定身体活動量を推測できる可能性を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまではコロナ感染症の蔓延により、患者の受診控えがあり、さらに患者受診間隔を長くする対応がとられたため、検討に合致する症例を確保することができず、研究の進行が滞ってしまっていた。令和3年度は、コロナ状況下の外来患者において検討できるように、研究計画の修正の検討と事前準備、倫理委員会への申請等を行ったため、研究が滞ってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染症の蔓延により、同意の得らる検討に合致する症例を確保することができなかったため、今年度で研究方法の修正と、研究可能となる倫理申請やその他の準備を行った。準備が整ったため、今後は市立秋田総合病院の共同研究者と連携し、症例登録を進め、研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の蔓延により、同意を得られる検討に合致する症例を確保することができず、研究方法の修正と研究可能となる倫理申請やその他の準備を行ったため、検査に要する費用がかからず、その分次年度の使用額が生じることになった。1年間の研究再延長を承認していただいたので、登録患者の検査機器、検査費用、および学会、論文での業績発表費用等に使用する。
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