2022 Fiscal Year Research-status Report
COPDの身体活動性向上における呼吸リハビリテーションとアイリシンの役割の検討
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18K10738
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐野 正明 秋田大学, 保健管理センター, 准教授 (30323140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 隆信 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90170852)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COPD / 呼吸リハビリテーション / 身体活動性 / アイリシン |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ感染症に伴う研究の遅れがあり、次のごとく方法を修正し、研究を遂行した。安定期COPD患者に呼吸リハ開始時に身体活動(PA)の重要性、利益および増加するための工夫につきパンフレットを配布し口頭で説明を行う。活動量計を貸与し、電話やe-mailなどでフィードバックしPA増加を促す。リハビリは8週間とし、実施前後でアイリシン、肺機能、身体機能、アンケート、PAの測定を行う。 研究分担者の塩谷らは、安定期COPD患者25名(70±7歳、対予測1秒量55.0±24.9%)において、PAと骨格筋エコー強度(EI)および骨格筋量との関係を報告した。超音波検査にて大腿直筋断面積(RF-CSA)と大腿直筋EI(RF-EI)を測定した。PAは、歩数と平均活動時間(MVPA)とした。歩数とMVPAはRF-EIと有意に相関し、膝伸展力はRF-CSAと相関した。(Clin Respir J,16, 2022) 川越、塩谷らは、安定期COPD患者53名(77±6歳、男性46名、BMI 21.8±4.1kg/m2、対予測1秒量63.0±26.4%)で連続14日間の歩数と低強度身体活動(LPA)時間を測定した。回帰式で計算された予測量は、LPA = 31.909×歩行速度+0.202×PImax-20.553となった。LPA に影響を与える因子として歩行速度と PImaxが抽出され、回帰式によりLPA 量を予測できることが示唆された。(Phys Ther Res,25, 2022) 古川、塩谷らは、日本呼吸ケア・リハ学会において、在宅トレーニングとPAカウンセリングを中心とした、呼吸リハ維持プログラム(MP)を2年間継続したCOPD患者33名のPAの変化を報告した。2年後は初回測定に比べ歩数とMVPAは有意な変化を認めなかったが、6MWDは有意に減少した。MPのPA維持に寄与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症の蔓延により、患者の受診控えや患者受診間隔を長くする対策のため、検討に合致する症例を確保することができなかった。昨年度は、この状況下での外来患者において検討できるように、研究計画の修正と事前準備、倫理委員会への申請等を行ったため、研究が滞っていた。 2022年度は計画に従い、以下の研究を遂行した。外来COPD患者の研究対象者には通常の外来呼吸リハビリテーション、COPDに関する教育的指導と身体活動性に対する指導を行う。身体活動性の指導に際し、呼吸リハビリテーション開始時に身体活動性の重要性、利益および増加するための工夫についてパンフレットを配布し口頭で説明を行う。試験期間中は活動量計を貸与し、電話やe-mailなどの手段にてフィードバックを図るとともに、活動量増加の促しを行う。リハビリテーション期間は8週間とし、実施期間の前後でアイリシン、肺機能、身体機能、アンケート、身体活動量の測定を行うことした。結果を解析し2023年度の日本呼吸ケア・リハビリテーション学会での発表のほか、英文論文投稿を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果の解析をすすめ、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会での発表および英文論文投稿の準備を進める。研究分担者、市立秋田総合病院の共同研究者と連携し研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の蔓延により、同意を得られる検討に合致する症例を確保することができなかったため、研究が遂行できず、研究に要する費用がかからなかった。研究方法の修正と研究可能となる倫理申請やその他の準備を行い、この研究計画に基づき2022年度は、機器購入、サイトカイン測定等に研究費を使用したが、これまでの使用額が少なく、次年度の使用額が生じることになった。1年間の研究再延長を承認していただいたので、結果解析と学会参加、英文論文投稿など業績発表等に研究費を使用する。
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