2019 Fiscal Year Research-status Report
先天性腕欠損症児の継続的な三次元身体所見に基づく早期介入法の開発
Project/Area Number |
18K10740
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
羽田 康司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80317700)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児切断 / 義手 / 3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
身体の三次元スキャン技術を用いて,先天性上肢欠損小児の断端部のサーフェスモデル作成と、それを用いた義手ソケット作成技術を確立することに向け、初年度の研究で確立した三次元スキャン時の切断肢の採型肢位やスキャン方法を通じて、成長に伴う断端サイズや形状の経時的な変化の計測・評価を行なった。断端長や断端周径というファクターだけでなく、肘頭骨位置、上腕骨内側上顆、上腕骨外側上顆など、採型を身体所見に資するデジタルデータを蓄積するとともに、三次元のボクセルータから作成したサーフェスモデルを基準に変形を行い、実際に作成した義手ソケットの適合調整・修正を行うとともに、同じ患者においてギプス採型で作成したソケットとの比較を行なった。 CADソフトウェアを用いて、作成したソケットの先端に簡便に脱着可能な手先具交換システムを考案し、患者のニーズ(お茶碗を持つ、縄跳びを持つ、裁縫の時に布を把持するなど)に応じた新たな手先具を開発・作成し、日常生活場面を想定した使用訓練を行うと同時に自宅での使用にも一部拡大し、適合状態や形状の微調整を適宜行ない、義手全体としての性能の向上に努めた。また既存のシリコンライナーと電極を組み合わせて作成した簡便な筋電義手の作成・調整および使用訓練も継続した。また三次元スキャンデータからより迅速にソケットや手先具が作成ができるよう、CADソフトウェアにおけるサーフェスモデルだけでなくソリッドモデルの作成を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究成果を受けて、継時的な計測データの集積は順調に進んでおり、成長に伴う断端サイズ・形状の変化に応じた実際のソケット作成および微調整が可能となっている。また脱着式の手先具を変更することで、お椀の把持や縄跳び用の義手に簡易的な変換が可能となっている。以上から、次年度の目標に掲げた「スキャン・データを基に小児に最適な義手ソケット・手先具を製造し、結果を即座に反映し3D プリントできる方法を確立する」という目的は概ね達成できており、研究は順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、医師,作業療法士、義肢装具士、エンジニアが協力して義手仕様に関わる臨床場面(リハビリテーション)に関する臨床研究を推進するとともに、成長に応じた適切な手先具の作成・サイズ変更を可能とするため、各種・各サイズのソリッドモデルを作成する予定である。
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Research Products
(4 results)