2019 Fiscal Year Research-status Report
MCIドライバを対象とした自己評価手法を取り入れた運転助言支援の実践研究
Project/Area Number |
18K10742
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 実 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20224644)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ドライバ / MCI / 自己評価 / 運転助言支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
移動活動に大きな影響を及ぼす運転中止は、高齢化とマイカー依存の強い公共交通の脆弱な地域では重要な問題になっている。特に認知症ドライバに対する運転中止の宣言が努力義務となる医師は、患者や家族の生活を支える地域医療の立場ゆえに意思決定が難しい場面が多い。また、高齢ドライバは、運転技能に対する自己評価が実際より高い傾向があることから、運転中止に対して本人が納得することが困難な場合もある。運転中止宣告による日常生活や心理的な影響を鑑みると、運転においても早期介入が必要だと考える。そこで、本研究では「軽度認知障害(MCI)の段階でドライバが運転継続や断念を受容しやすい、客観的な自己評価手法を取り入れた実用的な運転助言支援方策を提案すること」を目的とする。 そのために、(1)病院で実施可能な実用的な運転助言支援モデルの作成、(2)日常運転行動の自己評価に有用な定量的・客観的評価指標の提案、を行う。 本年度は、運転行動の自己評価に関わる(a)身体運動・反応・調整機能レベルの評価と自己評価に関しては、エラーに対する反応を瞳孔径から抽出するための基礎実験を行った。具体的には、若年健常者20名に対して、エラー誘発課題を実施し、エラー発生時の気づきの有無を評価するための瞳孔径に関する指標を抽出した。また、研究協力者である精神科医等と高齢ドライバの運転状況に関する議論を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、(1)病院で実施可能な実用的な運転助言支援モデルの作成、(2)日常運転行動の自己評価に有用な定量的・客観的評価指標の提案を行う。本年度は、当初計画通り、運転行動の自己評価に関わる(a)身体運動・反応・調節機能レベルの評価と自己評価に関しては、先行研究のデータを用いた分析および若年健常者実験による新たな指標の検討を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、Covid-19感染症対応のため、現場での実験や検証が困難であることが想定されるため、これまで取得したデータおよび知見をもとに、運転継続判断支援に必要な指標や状況を整理することとする。
|
Research Products
(3 results)