2020 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患における運動耐容能と呼吸パターンに関する研究
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18K10744
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 朗 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10295371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 暁生 神戸大学, 保健学研究科, 特命助教 (30758842)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | COPD / リハビリテーション / 6分間歩行 / 呼吸数 / バイタルサイン / ウェアラブルセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
運動時低酸素血症 (exercise induced desaturation: EID) は慢性閉塞性肺疾患患者の入院リスクや死亡率を高める. 安静時呼吸数は心肺疾患の合併症や増悪を予測するが, 運動時呼吸数とEIDとの関連は明らかになっていない. 本年度は大学院生(角田早紀)とともに昨年度からの検討課題であった低酸素血症と呼吸数に関する分析を行った。 具体的には6分間歩行試験中のEIDの有無による呼吸数の差があるか検討した。対象74名から除外基準を除いた47名のうち6MWT中のΔSpO2 ≧ 4%, SpO2 ≦ 88%をEID群とした. EIDの有無で2群に分け, 6MWT中の呼吸数のrest, max, recovery, Δ について単変量解析を行った. また, 2群間の呼吸数とSpO2の二元配置反復測定分散分析を行った. 対象は年齢73.6±7.3歳, 男性39名 (83.0%) , BMI 22.4±4.0kg/m2であり, EID群31名, non EID群16名であった. EID群の1秒率 (46.5±13.5 vs 58.4±9.7) と%1秒量 (55.2±16.0vs 65.6±17.8) は有意に低かった (p < 0.05) が, 呼吸数に差はなかった. EID群の呼吸数の経時的変化には口語作用とEIDの有無 (p = 0.532, p = 0.076) による影響はなかったが, 時間 (p< 0.001) のみ影響があった.今回の分析から慢性閉塞性肺疾患患者における6MWT中の呼吸数はEIDの有無によって差はないことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症が流行したため、今年度は取得データの分析に注力した。新規データの取得は当初の測定時期を延期することになったが、地域の協力が得られたため緊急事態宣言の無い時期に、限られた人数ではあるが地域在住高齢者のデータ取得を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
年度の後半にCOPDの呼吸数の特性を明らかにするため、年齢の影響を考慮した対照群として地域在住高齢者のデータを大学院生(小林正明)と共同で取得した。今後は、取得したCOPDの無い同年代の高齢者とCOPD患者の比較を行い、呼吸数の特徴について検討していく計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症が流行したため今年度参加予定をしていた学術集会が中止となり、学会参加費や旅費が不要となった。次年度は国内外の学会参加費も支出予定としている。
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