2020 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病の姿勢異常・姿勢反射障害の解明:脳深部刺激療法の効果からの検討
Project/Area Number |
18K10760
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
伊澤 奈々 順天堂大学, 保健医療学部, 講師 (60384038)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩室 宏一 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80384775)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | パーキンソン病 / 体軸症状 / 足底圧分析 / 脳深部刺激療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病において、四肢の症状に比べて姿勢異常や姿勢反射障害は薬剤抵抗性であることが多く、その治療にしばしば難渋する。この体幹機能障害について、様々な治療法が検討されているが、未だ明確な治療法を見出すことができていない。体軸症状の治療が困難である背景に四肢と体幹の運動制御の神経基盤の違いがあるのではないかと考えている。そこで本研究では、(1)体幹機能障害の多角的評価法の確立と、立位時および歩行時の足底圧の解析によるバランス障害の評価法を確立したのち、(2)脳深部刺激療法(DBS)前後での体幹機能の変化を確認し、それにより、(3)姿勢・歩行に最適なDBS刺激条件を解明する事により、体軸へのアプローチを可能にすべく検討を進めていく。2018年度は(1)について研究を実施し、主に足底圧機能付きトレッドミルでの足底圧記録をパーキンソン病患者133名において解析した結果、踵への荷重不足という特徴を見出した。2019年度は(1)についてさらに症例を加えて、立位時の後方荷重傾向に加えて、逆に歩行時には後方(踵)への荷重不足を示した。さらに(2)について、視床下核に対する脳深部刺激療法(STN-DBS)を施行したパーキンソン病患者16名について、手術前後の体幹機能評価を実施した。DBS直後における立位時の足底圧の解析により、体幹筋の筋緊張の低下が急に起きて、体幹動揺性が出現する可能性を指摘した。 2020年度はCOVID-19により研究がほぼ止まった状態にあったが、STN-DBS術後の体幹動揺性の出現については、検討数が増えており、同様の所見を見出している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19により、2018~2019年度にやや遅れていた、患者さんに直接触れるスパイナルマウスを用いた体幹機能評価がほぼできずに経過していることから、全体としてやや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
全ての機器をなかなか消毒しきれないため、COVID-19が下火にならないとスパイナルマウスによる評価がしづらいが、STN-DBS術直後の足底圧測定機能付きのトレッドミルを用いた体幹機能評価は進めていく予定。
|
Causes of Carryover |
COVID-19感染症により、参加予定の学会に参加できなかったため。 今年度の使用計画としては、現在、ワクチン接種が少しずつ拡がっており、学会参加による同領域の研究者との意見交換や、機器のアルコール消毒シートの購入などに使用する予定。
|
Research Products
(2 results)