2020 Fiscal Year Research-status Report
運動失調に対する新たな評価法およびアプローチの開発と効果の検証
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18K10769
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹林 崇 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (90780510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 宗一郎 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (80339209)
友利 幸之介 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (90381681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度、脳卒中を呈した後に、上肢に運動失調を有した対象者、複数例に対して、振動刺激を提供し、その前後の短期間の介入による運動失調の経過について調査を行った。また、同時にその試みを実施した対象者の特徴(発症からの期間、感覚障害の程度、損傷部位)を調べ、振動刺激による失調症状の増減との関連性をナラティブに調べた。結果、従来考えられていたように、感覚障害の重症度が、運動失調に影響を与えるわけではなく、軽度の感覚障害でも、運動失調を呈する患者がある一定数は存在することがわかった。 昨年度は、それらの知見を基盤に、探索的ではあるが、臨床おける前向きな比較研究を、一昨年度策定をした振動刺激によって反応を得ることができた対象者に対し、探索的にではあるが、臨床にて、準備的な介入において、介入プログラムを作成するための準備的な研究を一般臨床の中で試験的に行った。結果、策定したプログラムによって、振動刺激は対象者の失調をある程度軽減できる可能性が一般臨床の中で明らかになった。これらの知見を利用し、本研究の対象者におけるクライテリアを固定し、探索的なランダム化比較試験を実施するために、プロトコルの策定を実施した。 今年度は、これらのプロトコルを研究計画書にまとめ、研究責任者が所属する施設の倫理審査委員会の承認を得た。さらに、臨床研究を実施するための協力施設に内諾を得た上で、倫理審査を進め、3施設中2施設においては、契約手続きを終えている。なお、現在は、研究運営施設との契約も終了し、次年度随時事例集積を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響により、2度の緊急事態宣言が発動されたことにより、臨床試験のための契約、倫理審査等の手続きが、大幅に遅れてしまったことが主要因として、あげられる。さらに、現場のワークフォースの不足により、新規対象者の取り込みを停止していることが原因として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究運営施設との契約も終了し、研究実施体制が確立できたので、COVID-19による緊急事態宣言の情勢を鑑みつつ、出来る限り症例集積を進め、早急に振動刺激が運動失調に与える影響を調べるために、前向き無作為化比較試験を完遂する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、2度の緊急事態宣言が発動されたことで、臨床研究実施施設のワークフォースの不足、臨床業務以外の手続きの停止等があり、臨床試験のための契約、倫理審査等の手続きが大幅に遅れた。そのため、臨床試験における症例集積が実施できなかったことが、次年度の使用額が生じた主要因としてあげられる。来年度はCOVID-19の情勢を鑑みつつ、本格的な前向きの比較研究であるランダム化比較試験を実施する。資金の使用計画としては、この際にかかる本試験の運用組織への支払いおよび評価機器の購入、分析用のPCの購入、臨床試験に伴う各施設の訪問のための旅費等に資金の利用等を行う予定である。
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