2020 Fiscal Year Research-status Report
他者との関係継続の予期が顔認知に及ぼす影響―fMRIを用いた基礎的検討―
Project/Area Number |
18K10787
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮本 礼子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (70404944)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MRI / 認知機能 / 意思決定 / 健常者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,初対面の相手に対する対人関係継続予期の有無による親近性の差異および脳活動の違いを明らかにすると同時に,近年注目される脳機能的結合(functional connectivity)を詳細に分析し,対人関係における関係継続予期に関わるネットワークを推定することを目的とする.明らかにしようとする点は①関係継続の予期程度による他者への心理的親近性の違い,②関係継続の予期程度による顔認知処理過程の違い,③健常者の知見をもとに、関係継続予期に関与する脳内ネットワークモデルの構築の3点である. 本研究は3ヵ年にわたり,A)実験用顔写真の選定と予備調査の実施,B)実験用プログラムの作成 C)fMRI予備実験による関心領域の設定,D)fMRI本実験 E)functional connectivity解析によるネットワーク推定と報告書作成 の5段階で進めていく予定としていた.2020年度は最終年度であり,C)までの工程を遂行完了し,本実験に進む準備を整えた. しかし新型コロナウィルス蔓延の影響に伴い,年度当初より全面的に施設入講禁止となったほか,被験者となる学生の入講が規制されていたことから,実験実施が困難となった.またMRI機器の更新工事も重なったことから,残りの工程を2021年度に繰り越すこととした. 2021年3月時点において新機器(GE社)の使用者講習会を受講し,安全な使用環境の確保とともに新機器にて撮像可能なパラメータの再設定を実施し,年度早々に新機器での関心領域の再設定C)およびD)とE)を遂行する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度当初には予備実験後に実験課題を完成し,本実験に進む準備を整えた。 新型コロナウィルス蔓延の影響に伴い,一時全面的に施設入校禁止となったほか,被験者となる学生の入講が規制されていたことから,実験実施が困難となった。 MRI機器の更新工事も重なったことから,翌年に実験実施を繰り越すこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年3月時点において新機器(GE社)の使用者講習会を受講し,安全な使用環境の確保とともに新機器にて撮像可能なパラメータの再設定を実施し,年度早々に新機器での関心領域の再設定および本実験の実施,分析と結果整理を遂行する計画である. また年度末には研究成果を取りまとめ関連学会にて発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は,新型コロナウィルスの蔓延に伴う大学入構禁止による被験者募集困難が生じたほか,MRI機器入れ替え工事により実験環境の大幅な変更を余儀なくされることによる実験延期である. 繰り越された助成金は,主に新環境での予備実験・本実験の実施に伴う諸経費・謝礼金,年度末の学会発表と英文での報告書作成に係る経費として使用する予定である.
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