2022 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中リハビリにおける運動イメージ訓練開発のための経時的脳機能計測
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18K10790
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
下田 信明 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (00275786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 秀樹 杏林大学, 保健学部, 教授 (20612576)
武田 湖太郎 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (50618733)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 手の心的回転課題 / 脳機能 / 利き手 / 加齢 / 課題遂行方略 / 課題遂行能力 / 運動イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
学会発表を2件行い,図書を4件執筆した.学会発表では,まず2022年7月に,手の心的回転課題において,試行回数によって応答時間と遂行方略が変化するのか否かを検討した結果を報告した.参加者は右手利きの健常成人12名で,1人あたり計512枚の手写真について,その写真が左手か右手かを判断させ,応答時間を計測した.結果は,遂行方略の変化があった参加者,運動イメ-ジ方略の参加者,視覚イメ-ジ方略の参加者がおり,個人差がみられた.この結果は,本課題を運動イメ-ジを利用したリハビリテ-ションに用いるためには,遂行方略の個人差を考慮する必要があることを示唆している.次に2023年3月に,脳卒中患者における手の心的回転課題の正答率と機能・能力障害との関連について検討した結果を報告した.結果として,正答率と機能・能力障害の間には有意な相関は認めなかった.この結果は,たとえ機能・能力障害が重度の脳卒中患者であっても本課題を運動イメ-ジを利用したリハビリテ-ションに用いることができることを示唆している.以上2つの結果は,今後,手の心的回転課題をリハビリテーションに応用する際の基礎的知見となり得る. 図書の1件目,エビデンスにもとづく在宅ケア実践ガイドライン2022では,在宅脳卒中高齢者・認知症高齢者に対する訪問リハビリテ-ションの有用性について執筆した.本課題に関連した認知機能トレーニングについても記述した.図書の2・3件目,過去問Online2023,一問一答では,作業療法士国家試験の専門問題について解説した.本課題に関連した認知機能に関する問題も多く出題されていた.図書の4件目,日常生活活動・社会生活行為学では,脳卒中患者における起居・移動について解説した.これらの図書を執筆する際,本課題を通して得た知識・知見を役立てた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により実験遂行が滞った.影響の具体例は,実験参加者として予定した高齢者や脳卒中片麻痺患者は新型コロナウイルス罹患による重症化リスクが高いため募集をすることができなかった,若年者や健常者においても新型コロナウイルス罹患リスクはあるため募集をためらった,などが挙げられる.今年度,新型コロナウイルス感染症の分類は5類に変更されたため,参加者募集を開始する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
・健常左手利き・右手利き者における手の心的回転課題遂行時の脳機能・応答時間デ-タを取得する ・健常男女における手の心的回転課題遂行時の脳機能・応答時間デ-タを取得する ・脳卒中片麻痺患者における手の心的回転課題遂行時の脳機能・応答時間デ-タを取得する ・取得した各脳機能・応答時間デ-タを分析し,結果を算出する ・結果に対して考察し,論文にまとめる
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,国際学会などに参加できなかったためと対象者謝金などの使用ができなかったためである.使用計画は,実験用備品の購入,対象者謝金,学会参加,投稿論文校正などに使用する計画である。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 一問一答2022
Author(s)
下田信明
Total Pages
445
Publisher
医学書院
ISBN
978-4-260-04996-2
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