2019 Fiscal Year Research-status Report
急性期脳卒中高次脳機能障害に対する音楽リハビリテーションの開発と有効性の検証
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18K10792
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
笠井 史人 昭和大学, 医学部, 教授 (50266095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 彩 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (20593726)
青木 啓一郎 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90787095)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 音楽療法 / 急性期リハビリテーション / 高次脳機能障害 / 脳血管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的 A】急性期入院期間内で高次脳機能障害がどの程度改善するか現状把握として、 急性期病院脳血管センターへの短期入院期間内で、通常の治療した場合の高次脳機能障害はどのくらい改善するのかの現状調査した。昭和大学江東豊洲病院脳血管センター入院患者で、初期治療終了した成人脳卒中の者の調査結果を「患者の経皮的脳血栓回収術後における高次脳機能障害の調査」として第3回日本リハビリテーション医学会秋季大会で報告した。 【目的 B・C】従来のリハ治療はそのままに追加訓練として、病棟生活時間内に無理なく取り組む脳機能賦活自己訓練を課してその効果を検討するとともに音楽を利用した脳機能賦活自己訓練の効果を検討した。 ■「脳トレ」ケースを2症例登録し、訓練介入した。初回評価でMMSE・FAB・TMT-AB・GHQデータを取った。第1週は、1単位目に通常の作業療法を行い、2単位目として脳を鍛える大人の記憶ドリル(川島隆太著)を使用して「第1~7日課題」を行った。自室でも取り組んでもらい、翌日の作業療法で音読・暗記・書き取り・計算をテストした。第2週の2単位目はi-padで「川島隆太教授のいきいき脳体操」を行った。これも自室で取り組んでもらい、覚える・数える・耐える・選ぶを一通り行っている。 ■「音楽療法」ケースを2症例登録し、訓練介入した。1単位は通常の作業療法を行い、初回評価でMMSE・FAB・TMT-AB・GHQデータを取った。2単位目はi-padを使用し「上を向いて歩こう」を聴いてもらい歌詞を覚える訓練を実施、自室でも取り組んでもらい、翌日の作業療法で詞を書きだすテストを行った。2週目は「上を向いて歩こう」サビフレーズのループ音源を使用して模擬楽器演奏訓練を行った。さらに昨年度用意した、音楽教材を本人の好みに合わせ迅速に用意するシステムを利用して音楽教材を患者ごとに用意した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
脳卒中急性期軽症患者を対象としており、またipadを利用できるケースに限定される。好適応患者も急性期の滅入っている時期に電子機器を取り扱う本研究への参加を辞退させる方もいる。当初の予想以上に対象として登録できる患者が少なかった。さらにCOVID‐19ウイルスの蔓延により病院機能縮小もあり対象患者の確保がままならない。
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Strategy for Future Research Activity |
音楽リハビリテーションの介入研究を引き続き進めていく。対象患者確保に努めており、研究期間延長の申請も含め検討していく。夏季に入り急性期の脳卒中患者は減少する時期になることも含め、登録患者数の下方修正も必要となるかもしれない。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより学会発表ができず、その参加にかかる旅費等が繰り越された。次年度に学会参加と発表、論文のまとめに使用する予定である。
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