2019 Fiscal Year Research-status Report
機械刺激による骨格筋の肥大・萎縮予防における効果持続性に関わるメモリー機能
Project/Area Number |
18K10797
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
笹井 宣昌 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (20454762)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 肥大 / 萎縮 / レジスタンス・トレーニング / 機械刺激 / 効果持続性 / メモリー機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋の運動による肥大や不使用による萎縮はよく知られている。即ち、たとえ運動により強化した筋でも不使用が続けば萎縮する。では、その後の運動再開による筋量回復や萎縮予防に、以前の強化履歴は影響するだろうか?経験的には、十分に強化した筋なら、数年にわたる中止の後に再開した運動による筋量の回復が速い。逆に、高度に萎縮した筋では線維化も進み回復が遅い。運動履歴に関わる“メモリー機能”の存在が想定されるが、そのような学術報告は少ない。そこで本研究では、先ず、マウス個体および細胞培養の実験系を用いて、前述のような筋力トレーニングや刺激の履歴メモリーに符合する現象の捕捉(モデル化)を目指している。次に、その進捗に応じて、メモリー機能を担うメカニズムの手掛かりを探索する。 今年度のマウス実験では、若齢体と中高齢体を中心にすすめた。若齢体における現象の捕捉(モデル化)に成功した。昨年度の運動条件による筋肥大が、無効になる脱トレーニング(脱トレ)期間を策定した。脱トレ後の再運動による筋肥大では、初期の運動歴に応じた効果が得られた。また中高齢体でも、若齢体と同等の条件で実験が成立して、若齢体との比較で加齢の関連について考察できた。さらに高齢体の実験に着手した。始まったばかりで、少ないサンプル数ではあるが、若・中高齢体と同じ運動条件では、最初の筋肥大が十分に惹起できないと想像できた。次年度に、初期の運動条件について検討する。高齢体の準備のため、多頭飼育を継続している。 培養細胞実験では、昨年度につづきストレッチと電気刺激の2つの実験系で、刺激・脱刺激・再刺激の期間について検討した。期間延長により細胞の生存が不安定となり、条件策定に至っていない。一方、対策として培養・栄養を見直すなかで、アルブミン投与による筋細胞の肥大を確立した。実験条件の検討をつづける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定していた展開が実現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に展開しており、当初の計画に従い展開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス対策のため学術大会等への参加を止め、旅費等が予定よりかからなかった。一方、次年度に追加する実験や検出等での使用を立案済みである。
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