2021 Fiscal Year Annual Research Report
Memory of mechanical loading in skeletal muscle hypertrophy and atrophy
Project/Area Number |
18K10797
|
Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
笹井 宣昌 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (20454762)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 骨格筋 / 肥大 / 萎縮 / レジスタンス・トレーニング / 機械刺激 / 効果持続性 / メモリー機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋を十分に鍛えると、運動中止により肥大筋が萎縮したあとの運動再開において、加速的に再肥大する。この運動履歴が筋に記憶されているかのような現象は「筋メモリー」として経験的に知られている。一方、モデル動物の確立やメカニズム解明は十分でない。そこで本課題では、その「加速的な再肥大」を再現するモデルを、マウス個体および細胞培養を用いて確立することを目指した。 マウス実験では、成体に対して錘を負荷して階段を昇るトレーニング(トレ)を実施することで、狙ったモデル確立ができた。初期トレによる筋肥大、その後のトレ中止による肥大効果の消失、再トレによる加速的な再肥大を捉えられた。とくに若い個体の実験では、メモリー様の現象が残存するトレ中止期間についても検討できた。さらに中高齢体を用いた実験により、加齢による「加速的な再肥大」を抑制も捉えられた。本モデルの確立により、細胞・分子レベルのメカニズム解明を進める準備が整った。 細胞培養実験では、モデル確立に至らなかった。ストレッチや電気刺激による肥大実験系で、初期刺激による肥大、刺激中止による肥大効果の消失までは再現できた。しかし、実験期間の延長にともなう細胞の死滅が顕著で「加速的な再肥大」を捉えるには至っていない。一方、培養条件を検討する中で、アルブミンが肥大をサポートする栄養であることが分かった。培養系について、現象捕捉という点では課題が残るが、少なくともマウス実験との併用でメカニズム解明への活用は可能と判断できた。
|