2020 Fiscal Year Research-status Report
Does physical frailty predict cognitive frailty?: an analysis of the default mode network
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18K10807
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 睦英 九州保健福祉大学, 保健科学部, 講師 (20412835)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知フレイル / 安静時脳波 / デフォルトモードネットワーク / 姿勢バランス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,高齢者の生活機能や健康長寿を阻害する要因として,フレイル(Frailty)という概念が注目されている.一般的にフレイルは身体機能の脆弱性を指すが,認知機能のフレイルについては明確な定義がなく,身体機能のフレイルとの関連も明らかではない.本研究は身体的フレイル高齢者の安静時脳波の律動的振動(オシレーション)を記録し,安静時脳活動の定常状態であるデフォルトモード・ネットワーク(DMN)の機能的連関を解析することで,認知フレイルの神経基盤について検証するとともに,身体機能障害との関連についても検討することを目的として実施している. 今年度はCOVID-19の感染拡大に伴い,高齢被験者のリクルートとデータ測定スケジュールの大幅な遅延を余儀なくされた.研究協力を依頼したフィールドにおいて感染者がほぼ0になった12月中旬に高齢者を対象としたフレイルに関する健康教室を企画・開催し,その場で同意が得られた24名の高齢者に対して身体機能フレイルに関する基礎データと自覚的もの忘れの主観的データの収集を実施した.併せて「身体フレイル度」「認知フレイル度」の判定とフレイル予防についての個別フィードバックを行った. 次年度はこの24名からの脳波測定の同意が得られた高齢被験者について脳波データを取得し,認知フレイルと関連する脳活動特性の同定を試みる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の主たる被験者は65歳以上の高齢者であり,COVID-19ハイリスク群に相当する.当初は市中感染がある程度抑制されたタイミングで研究協力を依頼する予定であったが,当該地域におけるクラスターの散発や所属機関職員・学生の感染等もあり,11月まで研究の停滞を余儀なくされた. 12月に25名の基礎データの測定はできたものの1月以降に再びCOVID-19感染者増加傾向に転じ,被験者(学外者)を所属機関である大学に招聘できる状況ではなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,COVID-19感染の第4波の到来と変異種の増加が顕著であるため,十分な感染対策を講じた上で当面は若年者を中心に被験者のリクルート・データ測定を実施する.高齢者のワクチン接種が進んでいることを考慮し,再び感染拡大が懸念される冬季を避け,夏季~秋季に高齢者の脳波データ測定を実施する.脳波解析は定常状態の周波数解析・ネットワーク解析を中心に行い,認知機能・身体機能パラメーターとの相関について検討する.COVID-19の感染状況の推移が予測できないことから,研究協力者との打ち合わせはすべてZoom等を利用したリモート会議で実施する.現状,どの程度のデータを取得できるか不明であるが,解析・統計に耐えうるサンプルサイズとして高齢者20名のデータの確保を目標とする.
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Causes of Carryover |
(理由)今年度はCOVID-19の感染拡大により高齢被験者のデータ計測に大幅な遅延が生じたことから,被験者への謝金が発生しなかった.同様に,当初計画していた研究協力機関での打ち合わせはリモートで実施し,参加予定であった学会もオンライン開催に変更となったことから,旅費支出の執行がなくなり繰越額が発生した. (使用計画)延岡市でのデータ計測のための旅費・交通費ならびに謝金(約380千),PCのリプレイス(約230千円),国内学会参加旅費(約60千円),被験者への案内文書送付(約10千円),その他必要物品(脳波ゲル・注入用シリンジ等)購入(約150千円).
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