2019 Fiscal Year Research-status Report
運動負荷/除負荷に適応した骨格筋ミトコンドリアの超解像度顕微鏡解析
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18K10809
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武田 紘平 筑波大学, 体育系, 特任助教 (00807349)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋ミトコンドリアは運動や除負荷等の刺激に応じて量的・構造的に変化する。しかしながら、筋線維内に存在するミトコンドリア構造の適応については不明である。昨年度は、マウス骨格筋から単離した単一筋線維内のミトコンドリアを染色し、光学顕微鏡を用いて観察する手法を確立した。さらに、マウスに対し除神経手術により筋萎縮を惹起したところ、筋線維内のZ膜近傍のミトコンドリア構造が崩壊していることを報告した。 本年度は、C57BL/6マウス(雄、6-7週齢)に対し2週間の後肢懸垂を行い、骨格筋ミトコンドリア構造について観察した。さらに、後肢懸垂後に再接地を行い、筋量を回復させた際のミトコンドリア構造についても観察した。摘出した骨格筋から単一筋線維を単離し、Mitotracker Redで染色し、超解像度の工学顕微鏡を用いて撮像した。撮像したデータから3次元構築を行った。2週間の後肢懸垂により遅筋優位のヒラメ筋湿重量はコントロール群と比較して低下しており、筋線維内のミトコンドリア構造は除神経時と同じくZ膜近傍のミトコンドリア構造が崩壊していた。しかしながら、速筋優位の長趾伸筋では筋湿重量の低下は認められず、筋線維内のミトコンドリア構造もコントロール群と違いは認められなかった。2週間の後肢懸垂の後に1週間再接地を行ったところ、ヒラメ筋湿重量は、コントロール群と同等まで回復していた。しかしながら、ミトコンドリア構造は変化しなかった。これらの結果から、2週間の後肢懸垂後の1週間の再接地では骨格筋のミトコンドリア構造は回復途中であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度確立した手法を用いて、筋萎縮ならびに再負荷時の骨格筋ミトコンドリア構造について明らかとすることができた。当初の予定通り研究は進んでおり、次年度も継続して研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度まで筋萎縮時の骨格筋ミトコンドリア構造の適応について研究してきたが、今後は持久性トレーニング時の適応について研究を行う予定である。最終年度になるため、これまでの研究成果をまとめ原著論文執筆についても進める。
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Causes of Carryover |
2020年3月に開催予定であった研究会が新型コロナウィルス流行のため中止となり、旅費支出がなくなり研究費が繰越となった。次年度に物品購入に充てる計画である。
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Research Products
(4 results)