2023 Fiscal Year Annual Research Report
Can Onomatopoeia modulate the efficiency of human movement? - insights gained from higher brain function-
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18K10821
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
古林 俊晃 東北文化学園大学, 健康社会システム研究科, 教授 (80583963)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オノマトペ / 運動関連脳領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動には、力強さ、速さ、パワーや巧緻性のある動作と協調するタイミングといった運動形態がある。ヒトはこれらの運動を行う時、その運動を表象するオノマトペ(OP)を用いることで、その運動が円滑になることを経験する。我々は力強さや速さを表象するOPを用いた際の運動効率がOPなしの時と比較して改善されることを確認し、その機序について、OPに対する想起の仕方や呼吸量を指標に調べてきた。しかし、運動を表象するOPが、どのように運動を制御する中枢神経系に関与するのかについては解明されていない。そこで、力強さを表象するGuと速さを表象するSuによるOPを用いて力量を調整する課題により、中枢神経系の興奮性を検証することとした。一次運動野の興奮性は経頭蓋磁気刺激法により、脊髄前角細胞のそれはF波法により調べた。加えて、OPの想起が運動に関連する脳領域にどのように影響するかを運動関連脳電位(MRCP)により調べた。これまでの成果として、運動形態を表象するOPは、一次運動野の興奮性を抑制する一方、規定の運動の出力レベルを維持するために、脊髄前角細胞では興奮性を高めている可能性を推察した。しかし、MRCPについては機器の不具合で、検証はできていない。最終年度は、これまでの成果の実証性を高めるために、これまでの補足実験を行った。運動を表象するOPは、そのOPに見合う運動に対して、その遂行を容易にする。その生理学的背景として、運動に関連する脳領域の負担を軽減し、しかし運動の正確性を脊髄で制御している可能性を見出した。これらの成果は論文に執筆中である。
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