2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10831
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
平沼 憲治 日本体育大学, 保健医療学部, 教授 (30434153)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / ランニング / バイオメカニクス / 腰椎椎間板変性 / ランニング動作 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで数多くのアスリートを対象として,スポーツ選手における椎間板変性の発生割合とその要因を検討してきた.その中で特に長距離を専門とする陸上競技選手において一般の方より椎間板変性の発生割合が低いことを見出した.しかし,フィンランド人を対象とした研究から総距離が長いジョギング愛好家に椎間板変性の発生割合が高いとの報告がなされた.そのことから,同じランニングであっても,椎間板に好適となる場合と不適となる場合がある可能性が考えられる.そのため,本研究の目的は,ランニング動作が椎間板変性の危険因子になる場合と予防因子になる場合のそれぞれの要因を検討することである. 本年度は,腰椎椎間板に好影響とされるジョギング程度の速度がランニング習慣のない人であっても腰椎椎間板に好影響となるかを検討した.対象はランニング習慣のない健常男子大学生15名とした.加速度計を用いて,腰部の負荷を評価した.また,ジョギング動作を矢状面から撮像し,二次元動作解析を行い,骨盤前傾角度,股関節角度を測定した.本研究の結果,加速度が先行研究で腰椎椎間板へ好影響とされる範囲に該当した好適群は15名中6名であった.二次元動作解析の結果から,ジョギング時の骨盤傾斜角度は好適群が不適群より有意に低値を示した.一方,ジョギング時の股関節最大伸展角度は好適群が不適群より大きい傾向を示した.ランニング習慣のない人は,ジョギングが必ず腰椎椎間板に好影響であるとは限らず,ランニングフォームも影響する可能性が示唆された. ランニングフォームにより腰椎椎間板への負荷が異なる可能性があることから,今後はランニングによる負荷の違いが腰椎椎間板にどのような影響を与えるかを検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
陸上競技選手からは研究協力の内諾を得られているが,新型コロナウイルス感染症の影響などで測定日時の調整が合わず,収集できたデータが少なかった
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Strategy for Future Research Activity |
対象を陸上競技選手やランニング愛好家だけでなく,一般健常人からも募集をすることで,被験者を確保する.協力が得られ次第,測定を行っていく.それらの解析したデータは関連学会,学術論文等で公開を予定している.
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大のため、被験者と日程調整が合わず、次年度に研究測定を行うことにした。
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