2018 Fiscal Year Research-status Report
加齢による骨格筋幹細胞の機能低下メカニズムにおけるEgr3分子の役割解明
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18K10835
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
小倉 裕司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90509952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒坂 光寿 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40553970)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋サテライト細胞 / 老化 / 筋再生 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢による骨格筋の量や機能の低下はサルコペニアと呼ばれる。サルコペニアは健康寿命を縮めるため、超高齢社会を迎えた我が国の社会的な問題となっている。サルコペニアの発症には、骨格筋の幹細胞である筋サテライト細胞の機能低下が関与していると推察されているが、そのメカニズムは明らかではない。これまでの研究で、申請者らは、筋サテライト細胞におけるEarly growth response 3(以下Egr3)という分子の作用の低下がサルコペニア発症に関与する可能性を見出している。これを踏まえて、本研究では、サルコペニア発症におけるEgr3の役割を、研究代表者らが作成した筋サテライト細胞のEgr3ノックアウトマウスを用いて個体レベルで解明することを目的としている。 当該年度においては、Egr3ノックアウト動物の筋サテライト細胞を単離培養し、Egr3の欠損が培養筋細胞のに及ぼす影響について調査した。作成したEgr3ノックアウトマウスをタモキシフェン、もしくは、培養皿上で4-OHタモキシフェンで処置し、狙い通り、Egr3の産生を欠損させることが出来た。このモデルからえられた培養筋細胞では、筋サテライト細胞の機能を特徴づける分子であるPax7のたんぱく質発現量が、有意に低下することを発見した。一方で、Pax7の遺伝子発現量に変化は見られず、Egr3の欠損による影響は、Pax7の転写後の制御による可能性があると考えられた。 並行して、老齢動物から筋サテライト細胞をFACSを用いて単離し、その遺伝子発現についても改めて検討した。現在分析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子組み換え動物を用いて、筋サテライト細胞特異的なEgr3のノックアウト動物の作成は計画通り進んでいる。初年度は、培養細胞レベルでの検討を計画していたが、予定通り、実験を行い、一定の示唆を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
Egr3ノックアウト動物を用いて、実際に筋損傷、再生実験を実施し、Egr3の欠損が筋再生に及ぼす影響について、in vivoで検討する。筋再生実験については、損傷のタイミングや期間によって得られる知見が異なるため、いくつかのパターンで実験を行っていく必要があると考えている。
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Research Products
(6 results)