Muscle size and intramuscular fat of the quadriceps femoris in patients with knee osteoarthritis

2022 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18K10839
• Research Institution: Doshisha University
• Principal Investigator: 若原 卓 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20508288)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 冨田 哲也 森ノ宮医療大学, 保健医療学研究科, 教授 (30283766) ; 田中 壽 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40294087) ; 石橋 輝哉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座助教 (90962720)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: MRI / 脂肪含有率 / 除脂肪断面積

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、筋量分布と筋内脂肪の蓄積という観点から、変形性膝関節症患者の大腿四頭筋における特徴を明らかにすることを目的とする。令和4年度は、変形性膝関節症患者で人工関節置換術を予定している方（OA群）に加えて、下肢に整形外科的疾患のない健常者（対照群）を対象として実験を行った。3テスラの磁気共鳴画像（Magnetic Resonance Image）装置を用いて、各対象者の大腿部のMRIを近位部から遠位にわたって撮影した。MRIの撮影には、水と脂肪の位相差を利用して両者を分離するDixon法を用いた。得られた画像から、大腿長10%ごとの画像を抽出し、大腿四頭筋各筋（大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋）の筋断面積と筋内脂肪の含有率（Fat fraction）を計測した。筋断面積の計測では、筋内脂肪の含有率を考慮して、除脂肪分の断面積を算出した。また、外側広筋と中間広筋の境界が明瞭でない部位・対象者が存在したことから、両者を合計した値を算出した。分析の結果、大腿四頭筋の脂肪含有率は、対照群に比べてOA群の方が有意に高かった。また、大腿四頭筋の各筋間でも脂肪含有率の有意差が認められた。一方、外側広筋＋中間広筋と内側広筋の筋断面積（除脂肪断面積）は、対照群に比べてOA群で有意に小さかった。しかしながら、大腿直筋の筋断面積（除脂肪断面積）に、OA群と対照群の間の有意な差は認められなかった。これらの結果から、変形性膝関節症患者の大腿四頭筋にみられる筋量および筋内脂肪蓄積の特徴は、大腿四頭筋を構成する各筋によって異なることが示された。本研究で明らかになった特徴を考慮して、変形性膝関節症に対する予防プログラムや運動療法プログラムを検討する必要性が示唆される。