2018 Fiscal Year Research-status Report
保護者の関与と子どものスポーツ習慣形成に関する総合的研究
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18K10842
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
渡辺 泰弘 広島経済大学, 経済学部, 准教授 (30611610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 耕二 広島経済大学, 経済学部, 教授 (60264983)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子ども / スポーツ観戦 / 認知的描写法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、子どものスポーツ習慣形成に関する保護者の関与を明らかにすることである。具体的には、子どものスポーツ習慣(する・みる・ささえる)形成のメカニズムと要因を特定することである。 当該年度は、スポーツ観戦に来た親子連れを対象に、認知的描写法を利用して、スポーツ観戦における認知を視覚的方法で明らかにすること、スポーツ観戦を通じて親子間でどのような会話があったかを把握することを試みた。 2018年5月に開催された女子プロゴルフトーナメントの会場内において、親子連れの観戦者に対して直接配布・返信用封筒を用いた郵送法による質問紙調査を実施し、計13部のサンプルを使用して分析を行った。 主な結果として、多くの子どもが「選手のドライバーショット」、「選手のパッティングシーン」、「サイン会」などを描写していた。また、親子間の会話では「楽しかった」、「選手の筋肉が凄かった」、「アイスクリームがおいしかった」などであった。定性的な調査の結果から、子どもたちのイベントにおける空間および保護者とのコミュニケーションが重要な役割を果たしていることが垣間見えた。特に描写の特徴として、「家族や観客の絵を描いた子ども(プロを目指したくない/わからない)」と「風景のみを描いた子ども(プロ選手を目指したい)」に二分されていたことであった。今後、親子間での会話、描写の特徴との関連付けを行うとともに、この結果が何を意味するかを再度検証することが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はおおむね順調に進展している。2018年度は「みる」スポーツを中心に、保護者と子どもの相互作用を検証するための質的調査を実施した。2019年度は当初の計画通り、量的および質的な調査を実施することで、研究目的の達成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究目的の達成のために、それぞれのスポーツ活動(する・みる・ささえる)をもとにした量的調査を実施する予定である。調査方法は、いずれも直接配布・回収による質問紙調査、または返信用封筒を用いた郵送法調査を実施する予定である。分析方法は、クロス集計および多変量解析を行う。また、前年度同様に、賛同を得られた家族について前年度同様の質的調査を実施することによって、保護者と子どもの相互作用を検証するとともに、量的・質的調査をもとにしたスポーツ習慣形成に影響を及ぼす要因を探ることを目指す。
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Causes of Carryover |
(理由) 2018年度は調査に関わる人件費および謝礼の支払いが生じなかったため。物品費に関わる費用においても、研究を進めていくうちにそれほど必要ではなくなったため。 (使用計画) 2019年度は量的調査を予定しており、質問紙の郵送費や調査員、調査協力者への謝礼等に使用する予定である。加えて、国内外学会での研究成果発表に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)