2021 Fiscal Year Research-status Report
保護者の関与と子どものスポーツ習慣形成に関する総合的研究
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18K10842
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
渡辺 泰弘 広島経済大学, 経営学部, 准教授 (30611610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 耕二 広島経済大学, 経営学部, 教授 (60264983)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 財政的負担 / 保護者の教育観 / スポーツ参加への期待 / スポーツ参加への関与 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究期間内に実施された研究の妥当性を検証するための分析に時間を割いた。2019年に発表した研究モデル(子どものスポーツ参加による親の態度、親の期待、財政的負担感、参加者の頻度、および費用の支払いに関する理論モデル)に新たに取得したデータ(N=151)を当てはめ、モデルの妥当性および結果の検証を試みた。結果、モデルの妥当性を検証することができた(CMIN/DF = 2.97, CFI = .91, SRMR = .07, RMSEA = .09, 90% CI = .07 - .10)。変数の因果関係は前回の分析結果と同様に、保護者の財政負担感が、子どもたちの活動参加を促進とスポーツスクールへの投資に関わる重要な媒介変数であることが検証された。 また、保護者の教育観、スポーツ参加への期待、スポーツ参加への関与について、父親、母親による意識の違いを検証した。現時点での分析結果として、「ピアノや水泳などの能力を伸ばすには早い時期が良い」、「出来る限り子どものスポーツ活動に援助したい」といった項目では父親の得点が高く、「学校関係の行事には毎回参加したい」、「子どもが勝っても負けてもほめてやりたい」といった項目では母親の得点が高い傾向であった。スポーツ参加への期待については母親の得点が父親よりも相対的に高い傾向が見られた一方で、スポーツ参加への関与については父親の得点が母親よりも相対的に高い傾向が見られた。 子どものスポーツ活動に対する月謝や用具費、交通費などの支払いは保護者の重要な役割であり、世帯収入差によって子どものスポーツへのかかわり方も異なってくることが推察さることから、政策立案時における世帯収入を基準とした子どものスポーツ活動への補助 (例えばスポーツ施設利用時の減免、各スポーツクラブ入会サポート、プロスポーツ観戦における優遇制度など) も求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既に予定された調査は実施されたものの、昨今の疫病騒動により当該研究におけるサンプルの価値観の変化や、社会的情勢を考慮する必要がある。よって、本研究課題のフレームワークをもとに、追加調査の実施を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度であるため、現在執筆中の論文投稿や関係各所への最終報告書の作成、今後の研究の進展を含めた検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨今の疫病騒動によって、国際学会への参加、国際共同研究に関わる海外大学訪問の渡航費などの経費が不要となったため。 次年度は、当該研究の発展に向けた情報収集(追加調査または学会参加)および研究体制の構築(国際共同研究の模索)などに使用する予定である。
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