2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarifying the effect of insoles on sports performances
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18K10843
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
布目 寛幸 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10270993)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インソール / 背筋力 / 足底圧分布 / 最大発揮筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
インソールのスポーツ動作への効果に関する科学的エビデンスは極めて限られており、これまでにバランステスト等に対する効果を認める研究報告はあるものの、実際のスポーツの場面で求められる大きな筋力発揮やダイナミックな動作との間には大きな隔たりがあり、これを以てインソールのスポーツ動作への効果とするには大きな理論的飛躍がある。本研究は、最大発揮筋力及びダイナミックなスポーツ動作に対するインソールの直接的な効果を検証するものである。本研究は大きく3つの研究から成り、今年度(研究1)は、インソールの最大発揮筋力(背筋力)への効果を明らかにすることであった。健常な男子大学生30名を対象とし、足型3Dスキャン測定装置を用いて静止立位時の足部形状を測定した後に、そ足底圧測定装置と背筋力計を組み合わせた装置を用いて背筋力および背筋力発揮時・静止立位時の足底圧分布を計測した。なお、実験は裸足と2種類の形状の異なるインソールAUTOインソール・DELTAインソール)で行った。その結果、DELTA条件は他の2条件と比較して有意に高い最大背筋力値を示した(p<0.01)。さらに、このインソールに対する明確なレスポンダー群(R群)と非レスポンダー群(NR群)が存在することを確認した。群間で比較したところ静止立位時の裸足条件時踵骨角度に関してNR群はR群と比較して有意に(p<0.01)内反位にあった。この成果は、これまで不明だったインソールのスポーツ動作への効果に関する新しい科学的エビデンスであり、さらにその効果には足部のアライメントが関与していることを強く示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、今年度に計画していた研究を遂行し、新たなエビデンスを得ると共に研究を発展させうる重要な示唆を得ることができた。本成果の一部は、すでに国内学会および国際学会で公表済みであり、今後も国際学会における公表を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(研究2)は、前年度の結果を受けて、インソール装着が正の効果を生むレスポンダー群と効果がない非レスポンダー群に対してより詳細な足部の形状の3次元スキャンからインソールの効果と特有の足部形状との関係を明らかにし、どのような足部のマルアライメントがインソールの効果に影響を与えているかを明らかにするとともに、最大背筋力発揮中にインソールが足部のマルアライメントをどのように修正しているかについて研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、購入した物品:背筋力及び足底計測器同期計測システムにかかる費用を当初の予定より抑えることができたためであり、この費用を翌年度の物品購入費に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)