2019 Fiscal Year Research-status Report
運動は終末糖化産物(AGEs)を低減させ抗糖化作用をもたらすか否か
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18K10844
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
中島 早苗 共立女子短期大学, その他部局等, 教授 (60535459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古泉 佳代 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (20637342) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖化 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は終末糖化産物(Advanced Glycation End-Products;AGEs)に対して運動が低減効果を示すかどうかについて検証していくことを目的としている。今後実施予定である習慣的な運動によるAGEs値の影響を検証するための実験を進めていくにあたり、今年度は一過性の運動によって糖化に関する指標が変動しないことを実験的に確認した。対象は過度な運動習慣のない健康な女性(20~29歳)10名とした。方法は、皮膚組織へ蓄積したAGEsが光照射(微量の紫外線)により励起され特有の自己蛍光を発する物質があることを利用して非侵襲的にAGEs蓄積量を評価するTruAgeスキャナー(Diagnoptics製)を用いた。またAGEs産生への初期段階物質とされるグリコヘモグロビン(HbA1c)と血糖値も同時に測定した。一過性の運動負荷は、推定される最大心拍数の70%で30分間のトレッドミル走を実施し、その運動前後および運動終了から6時間後に各測定項目の測定を行った。食事による影響を考慮し、実験前日は21時までに夕食を終えることや実験当日は絶食とし、実験終了までの時間帯は規定食を提供し、食事をとる時間帯も指定した。同一被験者に対し、安静30分および運動負荷30分の異なる条件下での実験を別日に実施した。その結果、血中HbA1cは運動前後で有意な変化はみられないことが確認された。しかし、皮膚AGEs値は運動終了から6時間後では運動前の数値と同等であったものの、運動直後でのみ有意に減少した。これは、運動終了時の皮膚表面の湿度状態が異なったことが測定値に影響したことが考えられ、今後は測定条件等も再度検討しながら検証を続ける必要があるが、一過性の運動負荷では血中HbA1c値と皮膚AGEs値はおおかた変動しないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に追加調査を実施し、延期になった実験を実施する必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実験結果を踏まえ、(1)習慣的な運動がAGEs値にもたらす影響について実験を進める。また、(1)の後に予定している(2) 大学生女子アスリートを対象とした皮膚AGEsの測定がシーズン毎のコンディショニングに有用できるかを検証する実験に関しては、新型コロナウイルス感染症の感染状況やアスリート側の状況が落ち着いてから実施するものとし、実験のための準備を進めながら、(1)と(2)は可能な部分は同時並行しながら進行していく。
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Causes of Carryover |
当該年度に購入予定であった測定キット等を次年度購入に予定変更したため。
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