2020 Fiscal Year Research-status Report
運動は終末糖化産物(AGEs)を低減させ抗糖化作用をもたらすか否か
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18K10844
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
中島 早苗 共立女子短期大学, その他部局等, 教授 (60535459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古泉 佳代 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (20637342) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動 / 糖化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は終末糖化産物(Advanced Glycation End-Products; AGEs)に対して運動が低減効果を示すかどうかについて検証することを目的としている。対象は、習慣的に身体活動量が多い体育大学の運動部に所属する大学生女子アスリートとした。本来であれば、オフ期、トレーニング期、試合期等のシーズン毎の調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により活動や試合が制限または中止された為、研究計画を変更した。 緊急事態宣言発令(2020年4月7日~5月6日)による外出自粛期間後の6月に運動および食事を含む生活習慣に関するアンケートを実施し、大学生女子アスリートが自粛期間をどのように過ごしていたかについて調査をした。さらに了承を得られた者のみ活動自粛期間終了から3ヶ月程経過した9月に皮膚AGEs値を測定した。測定方法は皮膚組織へ蓄積したAGEsが光照射(微量の紫外線照射)により励起され特有の自己蛍光を発する性質があることを利用して非侵襲的にAGEs蓄積量を評価するTruAGEスキャナー(Diagnoptics製)を用いた。活動自粛期間を終えた大学生女子アスリートの皮膚AGEsの平均値は140 ± 21.2 AUであった。対象者の自粛期間前および9月以降の継続的な測定は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により実施することはできなかったが、十分なトレーニング時間が確保され通常通り活動していた2019年迄の同校大学生女子アスリートの皮膚AGEs値と比較した。その結果、2020年9月の測定値は、2019年迄の測定値と比較して低値を示した。これらの結果から、身体活動量と皮膚AGEs値には関連があることが推測された。測定条件は十分ではなかったものの、今後の研究を進めていく上でおおいに参考になる結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の研究計画では、(1)非運動習慣者を対象として3週間の定期的な運動負荷とともに測定をする、(2)学生アスリートの試合およびトレーニング期間等の年間スケジュールに合わせた測定を実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により長期間にわたる自宅待機や活動自粛期間が設けられたことや、測定項目の中に唾液の採取等が含まれていたこと等を踏まえ、予定されていた実験が遂行困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)3週間にわたる定期的な運動負荷を要する実験に関しては、運動負荷を走運動と予定していたが、感染症の状況によっては低強度運動に変更して実施する。(2)大学生女子アスリートを対象とした皮膚AGEsの測定は試合およびトレーニング等の年間スケジュールに合わせる予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染状況やアスリート側の年間スケジュールの見通しが不明確な点が生じているため、定期的な測定に予定を変更し実施する計画である。 (1)(2)は、新型コロナウイルス感染症の状況と感染症予防の対策を講じた上で実施時期等を判断して進行する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染状況により研究計画に大きく遅延が生じた為。また前年度迄に実施できなかった実験の遂行に必要な経費や、分析に用いる測定キットを購入する。
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Research Products
(1 results)