2019 Fiscal Year Research-status Report
動的下肢アライメント障害knee valgus予防のためのトレーニング開発
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18K10851
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
藤井 康成 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (30315410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木葉 一総 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 准教授 (00644395)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Knee valgus / 骨盤機能 / 腹横筋 / 超音波エコー / モーションキャプチャーシステム / Pelvic mobilityテスト |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目にあたり、本研究の主題であるKnee valgusと骨盤機能の関係に関しての実験を、本体育大学女子バスケット選手14名を対象とし、平成31年1月から4月までを研究期間として行なった。我々の考案した2種類の骨盤トレーニング(Jストレッチと骨盤版カフ訓練)を行うトレーニング施行群とコントロール群の2群に分け、トレーニング群は約3カ月間トレーニングを1日3-5セットで行わせた。トレーニング施行前、1ヶ月、2ヵ月、3ヵ月後にそれぞれPMテスト(Pelvic Mobilityテスト1))による骨盤の運動性の評価と、超音波エコーによる腹横筋の収縮の評価を行い、さらにモーションキャプチャーシステムを用いてKnee valgusの測定を行なった。 現在、スクワット動作時のKnee valgusのトレーニング後の変化に関して、データを解析中である。 研究2年度の研究結果としては、トレーニング群で4週間のトレーニングの継続後に、超音波エコーを用いて体幹のコアマッスルの代表である腹横筋の収縮の変化を評価し、同時にPMテストによる骨盤の運動性の変化も評価を行なった。コントロール群に比べ、腹横筋の収縮に関しては、トレーニング後に有意な変化を認めなかったが、PMテストに関しては有意な改善を認め、骨盤運動性の向上に対し、本トレーニングの高い有用性が証明された。また、同時に評価した股関節内旋可動域に関しても、明らかな増大を認めた。以上の結果に関しては、第32回九州・山口スポーツ医・科学研究会にて発表し、現在投稿中である。 1)藤井康成:スポーツと腰痛―メカニズム&マネジメント.山下敏彦編.金原出版、東京、89‐97、2011.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PMテストによる骨盤の評価、腹横筋の超音波エコーによる評価ならびにモーションキャプチャーシステムによるKnee valgusの測定を4週間毎に12週継続して行うには、実験を被験者となる女子バスケットボール選手のシーズンオフに行わなければならないため、かなり実験のスケジュール作成に労力を要し、調整に難渋した。 また、モーションキャプチャーシステムによる画像処理に予想以上に人力と時間を取られ、処理に4-5ヶ月を要した。現在画像処理後のデータの解析に着手している状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
片足スクワット時の荷重側のKnee valgusを、我々の考案したトレーニング前、トレーニング後4週、8週、12週でモーションキャプチャーシステムを用いて測定し、その変化を解析することで、本トレーニングのKnee valgusに対する有効性を評価する。同時に超音波エコーによる腹横筋の収縮改善との関係性の有無を明らかにし、代表的体幹機能である腹筋群のコアマッスルの機能と骨盤、下肢アライメントとの関係を明らかにしていきたい。 現状では、本トレーニングの骨盤、股関節機能への有用性は明らかになっているが、腹横筋の収縮改善との関係性は不透明である。少なくとも、骨盤、股関節機能と下肢アライメント、特にKnee valgusとの関係性を示せれば、本トレーニングの有用性がさらに高まり、Knee valgusによるスポーツ障害の予防に繋がると考えている。 問題点として、コロナのパンデミックのため、今後の追加実験や被験者の確保、年代別の調査などは、実験の進捗が制限される可能性が高く、少なくとも現時点のデータもとに本トレーニングの有効性を検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
情報収集のために、学会等の出張を予定していたが、令和2年当初から流行が拡大した新型コロナウィルスのために、全ての研修出張がキャンセルされ、次年度への繰越金が生じた。 次年度に繰り越した予算に関しては、学会参加や研究施設の見学などを行い、同じような研究に関する情報を収集したり、前年度、超過したデータ解析などの人件費などに使用することを予定している。
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