2018 Fiscal Year Research-status Report
運動中の発揮筋力を評価する新しいヒト実験法と筋疲労を抑制・回復させる刺激と部位
Project/Area Number |
18K10868
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
有馬 義貴 常葉大学, 健康プロデュース学部, 教授 (80309129)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋疲労 / 筋硬度 / LLLT / 鍼 / 微小突起 / 電気刺激誘発筋疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動中の筋疲労をモニタする実験方法を確立させた上で、筋疲労を抑制あるいは回復させる刺激を模索することを目的としている。 神経接合部以下の活動制限によって生じる筋疲労を誘発しつつ発揮張力を指標として筋疲労を評価するヒトを対象とした実験モデルでは、刺激周波数によって減衰(疲労)速度が異なることが報告されている。ヒトを対象とした発揮張力の測定は実験が大がかりとなることや測定精度上の問題があるため、筋の硬さを指標とした実験方法を考案・採用した。筋の硬さについては収縮時硬度、弛緩時硬度を測定している。実験では、発揮張力の報告と同様に、刺激周波数20・60Hzよりも100Hzで収縮時硬度が急速に減衰する結果を得た。しかし、弛緩時硬度には有意な違いが認められなかった。 これまで行って来た随意運動による筋疲労誘発の研究では弛緩時硬度が有意に上昇することを確認しており、他者による報告も同様である。そこで、電気刺激で筋疲労を誘発する前後の筋硬度を確認する実験を追加した。結果、弛緩時硬度に有意差は認められず、硬度差は60・100Hzにおいて直後に一過性に減少するが5分後には回復し、収縮時硬度は全ての周波数で10分後まで有意な減少が認められた。このことから、本実験で誘発した筋疲労は運動負荷後比較的早期に回復する軽度なものであると結論づけた。 その他、微小突起皮膚刺激と低出力光刺激の実験結果が類似する傾向を得ており、その機序について文献収集による考察を進めた。その結果、光刺激と接触刺激の刺激伝達経路が同系である可能性が示唆され、微小突起数増量による実験では収縮時硬度の維持・回復効果が増幅する傾向を観察した。弛緩時硬度については変化は認められなかった。 前段の後段の実験傾向から、本実験で採用した筋疲労誘発法の指標は収縮時硬度が有用だと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去のオールアウトまでの随意運動負荷を課した筋疲労誘発実験では運動後の弛緩時硬度が一過性に有意に増強したことを報告している。その結果から、収縮時硬度、弛緩時硬度、収縮ー弛緩時硬度差を指標とすることで、発揮張力のみを指標とする筋疲労誘発実験モデルよりも、疲労の検出力が上がり、効果機序を考察する上での情報量が増える見込みだった。しかし、弛緩時硬度の変化は乏しい結果となった。 弛緩時硬度測定の有用性を示すために、刺激強度及び時間を変化させた試行実験を加えて実施した。ところが、電気刺激による疼痛が生じるため、過去の随意運動負荷の結果に近づけることができなかった。この実験の追加が遅れの原因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
介入により疲労が回復する有意な変化が得られていることから、指標を収縮時硬度に絞り、刺激強度は当初の計画の通り実施し、目的とする①実験法の有用性の証明、②刺激特異性、③部位特異性の3項目について例数を重ねる。
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Causes of Carryover |
設備備品・消耗品類の一部は納品しているが、最終納品物が年度をまたいだため支払いは新年度で行う。 その他の予定している設備備品については、実験に支障を来さないように改良加工・入れ替えを順次行い、謝金は実験が終了した時点を予定している。
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Research Products
(3 results)