2021 Fiscal Year Research-status Report
弾性体による体重免荷運動が脳性麻痺者の運動耐久能力におよぼす影響
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18K10871
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
多田 智美 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (70746007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠中 泰彦 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (10309601)
齋藤 恒一 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (10601734)
山口 和輝 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助手 (20725030)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳性まひ / 弾性体 / 体重免荷 / 運動解析 / 運動耐用能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、弾性体により懸垂することで行う「四方向懸垂体重免荷運動」が、脳性麻痺児者の身体機能に与える影響を運動学的に解析し、運動対応能力、運動耐久能力の変化を明らかにすることを目的としている。四方向懸垂による運動制御は、運動の多自由度・多次元の高速運動を実現するといわれるパラレルメカニズムによる運動制御と同様の運動保障が実現できるシステムであり、このシステムによる運動介入を行うことは、運動自由度の低い脳性麻痺児者のリハビリテーションにおいて非常に意味が大きいと考えている。 過去に我々は、脳性麻痺児者における弾性体による四方向懸垂体重免荷運動を実施し、健常者では伸展可動域が増加するが、脳性麻痺児者では股関節の可動範囲は減少するという現象を見出し報告している。この運動特性に加えて、弾性体による四方向牽引の体重免荷運動は、運動耐久能力の低いとされている脳性麻痺者でも容易に運動の継続が可能であり、脳性まひ者の心身機能を維持するための継続可能なフィットネス運動としての効果を検証することは非常に有意義であると考えている。 しかし2020年より全世界的パンデミックを引き起こした新型コロナ感染症のまん延は、研究の進行に非常に大きな妨げとなり、事実上2年間実験はストップした状態が続いている。測定に関する安全対策など計画を見直したが、実験対象となる脳性麻痺児者も感染を恐れて外出などを自粛する傾向が長引き、実験の再開が難しい状況となった。そこで研究の方向性として簡易運動分析の有効性についての検討を重点的に行う方向性でシフトチェンジし、より簡便な動作解析システムによる運動多様性の評価を実施する方向で検討している。また過去のデータも解析できるように改良したソフトを導入したので、「四方向懸垂体重免荷運動」における運動特性をさらに解析して報告したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に引き続きコロナ感染症の影響が続いた。研究協力機関と調整し、感染拡大の落ち着いた時期の実験実施を検討した。R3年は実験器具の消毒方法や感染対策を示して再度事件計画を協力機関と推考して、夏季休業での測定を目指し計画を再考したが感染が拡大したため中止となり、その後協力機関のキーパーソンであった研究協力者の体調不良により日程などの調整に難航、冬季の感染再拡大に突入してしまい、実験の実施が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究室には、紫外線による消毒装置も導入し、機器の消毒と保全管理を強化したが、医療福祉機関でのデータの集積においては、感染症が完全に制圧されていない現状では呼気ガスの分析装置の使用は理解が得られにくい。このため呼気ガスの分析については脳性麻痺者については、いったん休止とし、マスクを使用せずに収集し得ているデータでの解析を検討している。また動作解析については、より簡便に動作解析できるようにシステムを導入し過去のデータも改めて解析を始めており、本研究の方向性としては、「四方向懸垂体重免荷運動」における運動特性を歩行運動で解析する方向で検討を行っている。健常者でのモバイルガス分析については、今年度中に実験を再開する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)参加予定であった国際学会が新型コロナウィルスの拡大により、開催の延期となったため旅費の利用がなくなったことが大きな理由として挙げられる。 (使用計画) 昨年度運動解析における脳性麻痺者でのソフトの導入を行ったので、それにより過去に集積したデータの分析を行い、学会での発表以外にも論文執筆などにより発表の場を広げていく予定である。
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