2021 Fiscal Year Annual Research Report
Skeletal muscle-tendon mechanics for the elderly during dynamic movement
Project/Area Number |
18K10874
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Research Institution | Morinomiya University of Medical Sciences |
Principal Investigator |
佐野 加奈絵 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 講師 (30762273)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マスターズ / Aging / SSC / 下腿三頭筋 / 筋活動 / アキレス腱 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の少子高齢化社会において、健康寿命の延伸が重要な課題の1つであり、年々増加する高齢者のロコモーション中における骨格筋調整メカニクスを明らかにすることは、高齢者が自立した生活を送るための健康な体を維持するために重要である。加齢に伴い筋力が低下し、筋腱の形態的変化が起こるとされている高齢者ではあるが、本研究の結果より、高齢者でみられた運動器の萎縮や能力の低下は、身体活動量の低下に伴うものである可能性が示唆された。最終年度となる今年度には、covid-19の影響を受けずに研究プロジェクトを進めるために、ダイナミックな身体運動中における高齢者の筋腱の調整メカニクスの調査のほか、①日常的な身体活動の頻度や強度が異なる高齢者の膝軟骨厚の違いについての研究、②記録集よりcovid-19の影響がマスターズ陸上選手の記録に及ぼす影響についての研究を実施した。これらの知見より、ウォーキングイベントに参加するような健康な高齢者とマスターズ陸上アスリート間(運動習慣有無やその種類)、運動頻度の違いでも軟部組織の特徴に影響を与えることが明らかとなった。これまで、高齢者に対する運動処方は、様々な身体レベルに関わらず、メカニカルストレスの少ない有酸素運動が主流であったが、腱や筋、膝軟骨のような軟部組織の健康維持や、運動中の神経活動の調整を若年者に近づけるためには、ホッピングやジャンプ運動などのような身体運動を取り入れることの重要性も示唆された。しかしながら、身体活動レベルの高くない高齢者やトレーニング実験など、申請当初に予定していた測定についてはCovid-19リスクの回避のため調査出来ず、本研究プロジェクトでは健康な高齢者のみを対象としたため、萎縮や軟部組織の摩耗の状態などは考慮しきれていなかった。今後、様々な身体活動レベルや筋腱・骨格、軟骨特徴を有した高齢者の調査も実施していきたいと考える。
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