2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10875
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
久保山 直己 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (00412718)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トレーニング科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は動的運動中の脳部位における機能的相補性による筋の協働作用の活性化と中枢疲労の発生過程及び中枢疲労耐性との関係を解明することである。本研究では疲労困憊運動を含む動的運動中に近赤外線分光法(NIRS)を用いて前頭葉など脳の血液量の変化を時系列に捉えることが必要となる。実験では、複数の被験者及び実験補助者の協力が無ければ実施することが不可能である。 2023年5月には新型コロナ感染症が5類感染症に引き下げられる見通しとなった。しかし、本年度までの数年間は猛威を振るっていたため、感染症拡大予防の観点から、実験室という密室においてマスク無しでの最大運動を被験者に依頼すること自体ができない状況であった。また、実験室の環境を考えた場合、生体に最も環境の影響を受けない中性温度も確保できず、窓を開けての換気ではデータ自体が不確定要素を含むこととなる。実験補助者においても、分単位の測定となるため、十分なソーシャルディスタンスを確保することが困難であった。 本研究は、上記したように対面での実験が基盤となるため、昨年度に続き本年度も実験を一時中断せざるを得ない判断をした。そのため、研究実施計画に大きな遅延及び見直しの必要が生じている。その影響を受け研究成果を得ることが出来ていないのが現状である。 本年度は研究期間の延長を申請し受理された。現在は、次年度からの研究計画を見直し実験の実施に向け準備を進めている。次年度は研究エフォートを拡大させ研究成果を早期に獲得し学会での成果発表をはじめ、論文作成など精力的に研究を推し進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、最大運動を含む動的運動中の脳の血行動態を正確に捉えることが必要となる。本年度までの数年間、新型コロナ感染症が猛威を振るい、対面での実験を実施すること自体ができない状況であった。 仮にマスク着用での運動様式では呼吸循環に制限が加えられるため、本来目的とするデータが正確に得られない。また、脳血液量、酸素摂取量や筋電量など複数のデータを同時測定する必要があるため、複数の実験補助者が被験者の至近距離で作業することが求められる。そのため、感染リスクが非常に高くなる可能性が避けられなかった。そのような状況の中で実験を強行することは安全安心の最優先という根本的な研究原則の考え方と相反するものであった。 このようなことから、感染症拡大状況、政府方針及び社会の動向を注視しながら再開できる時期を見極めることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における対面での実験遂行を一時中断せざるを得ない理由は新型コロナ感染症拡大であった。しかしながら、2023年5月から5類感染症に引き下げられ、漸く実験再開の目途が立った。実験を実施する実験室及び測定機器など環境は既に整っており、実験中断の間に文献等による仮説の強化及び実験実施手順の見直しに時間をかけ入念な準備が完了している。 次年度から当初の目的を確実に達成させるために、今後、効率的に実験を実施し正確なデータ収集及び分析を力強く推し進め、成果発表を精力的に行っていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大により実験実施が不可能であったため、使用計画に変更が生じている。5類感染症への引き下げ等により次年度から実験の再開に目処が立ち当初計画に沿って本格的に研究を遂行するできる状況となる。
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