2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K10876
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
中西 修平 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70372183)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動療法 / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は外来の糖尿病患者に昨年実施した身体活動量の質問票の結果を検討し、血糖管理および体重との関係をまとめた。興味深いことに血糖管理には治療の介入が入るため活動量や安静時間の影響は少なく、体重に関しても運動の強度以上に安静時間の多さが臨床的課題となる可能性があることを明らかにした。この成果は日本糖尿病学会中国四国地方会第57回総会(2019年12月徳島)で発表した。 質問票の回答は1053名分を数え、また本研究費で購入した内臓脂肪計を使用して得られた158名分の腹囲および内臓脂肪のデータとの関連も加えて更なる解析を行い、論文化した(Nakanishi S, et al. Impact of physical activity and sedentary time on glycated hemoglobin levels and body composition: Cross-sectional study using outpatient clinical data of Japanese patients with type 2 diabetes. J Diabetes Investig 2019 Nov 22)。この結果は本年度の第63回日本糖尿病学会年次学術集会でも発表予定であったが、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から学会が開催延期となった。 これら現時点での結果から、安静時間は運動強度よりもより強く体重と関連し、同時にウエスト周囲径や内臓脂肪面積と関連した。以上の事から糖尿病をはじめとする生活習慣病の運動指導はその内容以上に如何に安静時間を減らすかに注目することが脂肪蓄積の量(体重)のみならず質(内臓脂肪蓄積)においても重要であり、単なる運動の奨励では限界があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に得られた成績から、生活習慣病特に2型糖尿病に関し安静と運動時間及び運動強度との関係をより深く検討する目的で、運動を継続することがどの程度の臨床的インパクトを持つのかを縦断的に検討中である。現在約270名の患者に対し半年おきに内臓脂肪を評価し経過を観察しており、今夏でほぼ全例の一年間の追跡が完了する(すなわち開始時、6か月後、12か月後の3点のデータが揃う)ため、安静時間、運動量、運動強度との関連を解析する予定としている。 一方で今般の新型コロナウイルス感染の蔓延により運動を控えたり通院を控えたりする症例がみられるようになり、今後の研究に影響する可能性が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの蔓延と外出の自粛から運動量に予期せぬ変化が生じた症例も少なくなく、外来での継続加療の継続とともに、脱落症例の増加が懸念されるため、受診者に関しては引き続き活動量計所持者からのデータ収集等を精度高く継続してゆく。同時にコロナウイルス感染拡大による運動量の減少と安静時間の増加をモニターし、その影響も評価できるよう情報収集は継続してゆく。
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Research Products
(2 results)