2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of physical exercise on the regulation of adult stem cells existed independently in separate organs
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18K10879
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
桑原 知子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90358391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤巻 慎 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (10795678)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞分子 / 神経科学 / 幹細胞 / 脳 / サルコペニア / 骨格筋 / 組織幹細胞 / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は多種類の成体幹細胞を扱って、幹細胞の増殖や分化制御機構の機能解析研究を実施してきた。骨格筋幹細胞のサテライト細胞と脳神経系の成体神経幹細胞で、運動効果による機能応答にどのような応答の違いが、周辺組織及び標的細胞へのシグナル伝達機構に現れるのかを調べた。それぞれの独立した器官で、トリガー因子がのターゲットとなる細胞種の挙動を変動させる過程を並行して調べた。変化の希著得意的に動き出す有用なモニタリング指標が得られると、疾患の予防や新規治療法の開発に大いに役立つ。筋肉は再生能力が優れていて、老化する過程においてもサテライト細胞の持つ機能の潜在能力は高い。外的刺激には、組織機能を上昇するも運動や認知能力強化背景もあれば、減少させるもの(ex.寝たきり、炎症が進んだ極度の老化など)もある。各組織の成体幹細胞やニッチは、運動という生体全体への刺激に効率よく応答するメカニズムが個々にあり、動態を左右する因子は、応用研究への足掛かりとなる。成体幹細胞にとって、炎症反応を伴わない運動効果や環境の良い変化は増殖促進に働く。成体幹細胞として神経幹細胞と骨格筋幹細胞を比べた場合、海馬では神経幹細胞のニッチ細胞から神経分化促進因子を軸とした関連因子が、運動効果に依存して発現上昇、あるいは阻害因子が低下し、神経新生にとって促進効果を及ぼすことが分かった。同様のシグナル伝達機構が保持する、成体骨格筋内のサテライト細胞に対する役割や、運動効果に対する応答性については未知である領域が多かった。運動や筋萎縮が起きるような状況下では、どの領域/周辺領域で、また、どのタイミングで発現量や機能が変動するか、追跡解析を行なった。脳内および骨格筋成体幹細胞の変容機構をパラレルで解析し、関連因子の挙動について比較研究解析を行い、新しい視野からの知見を得ることを追求した。
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