2019 Fiscal Year Research-status Report
静的ストレッチング中の筋電気刺激が筋腱および神経系におよぼす影響
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18K10886
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 貴正 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (70723708)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 柔軟性 / ストレッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
運動パフォーマンス増加や傷害予防のためには、筋の伸長と随意筋収縮を組み合わせた刺激が効果的であると報告されている。そこで本研究の目的は、静的ストレッチング中の筋電気刺激が、筋や腱および神経系に及ぼす影響を明らかにすることとした。本研究の意義として、静的ストレッチングよりも効果的なストレッチング方法を確立することができれば、一般の方のみならず、柔軟性が非常に高い人(バレリーナなど)や関節拘縮がある方など、既存の静的ストレッチングでは十分なストレッチング効果が望めない方たちにとっても有益なストレッチング法になると考えている。本申請課題は3つの研究項目から構成されているが、本年度はそのうち、「静的ストレッチング中の筋電気刺激が、柔軟性や筋腱の粘弾性に及ぼす影響を明らかにする」という研究項目について取り組んだ。静的ストレッチング中に電気刺激を同時に行う試行、または静的ストレッチングのみを行う試行の前後に、足関節可動域や筋の伸展性などを測定した。実験の結果、両施行において足関節可動域および筋の伸展性は増加したが、静的ストレッチング中に電気刺激を同時に行う試行と静的ストレッチングのみを行う試行との間に差はなかった。この結果は仮説を支持しないものであり、電気刺激を静的ストレッチングに加えても、ポジティブな影響、ネガティブな影響のどちらもないことを意味している。しかし、電気刺激時のパラメータ設定方法やストレッチング方法には無数の組み合わせが考えられるため、これらの点について再検討する必要があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、機器の手配や倫理申請に時間を要した関係で、当初予定よりも少し遅れている状態で今年度をスタートした。遅れを取り戻すべく実験等を実施していたが、コロナウィルスの関係で実験が予定通りに実施できず、当初予定の第2実験を実施することができず、第1実験までの実施となってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルスに伴う世の中の動きに多分に左右されるが、残りの2実験を最終年度に実施するとともに、既に終了している第1実験のデータをまとめ、学会発表や論文投稿を行う予定である。
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