2020 Fiscal Year Annual Research Report
A study on kinesthetic aftereffects induced by a weighted bat on baseball batting performance
Project/Area Number |
18K10887
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
兄井 彰 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20258560)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 筋運動感覚残効 / バッティング / 素振り / パフォーマンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,野球において重いバットでの素振りが,後続する標準の重さのバットでの打撃パフォーマンスに及ぼす影響を検討した. 大学野球選手20名を対象に,基準運動として,900gの標準のバットで3球を実打させ,その後すぐに,先行運動として,重さの異なるいずれかのバット(900g,1050g,1200g)で5回素振りをさせ,さらに,後続運動として,900gの標準のバットで3球を実打させた.投球は,ストライクゾーンの中央付近にボールが集まるようにバッティングマシーンを調整し,球種はストレートで球速は,125km/hと105km/hとした.基準運動と後続運動での打撃について,打球の質(ヒット性のあたり)とインパクトの質(バットの軌道との一致),スイングの質(フォロースルーの大きさ)という観点で,野球経験が10年以上の者3名が主観的に得点化した. その結果,両球速において,標準よりも重いバットでの素振りをした後では,主観的にバットを軽く,ボールを打ちやすく感じる筋運動感覚残効が確認された.また,重いバットで素振りをした後の打撃では,スイングの質が向上していた.速い球速(125km/h)において,重いバットで素振りをした後では,打球の質,インパクトの質ともに低下していた.遅い球速(105km/h)では,打球の質及びインパクトの質に差は見られなかった. このように,重いバットの素振りよる準備運動を行うと,その後の打撃において,バットが軽く,打ちやすく感じる筋運動感覚残効が生じるといえる.また,重いバットの素振りよる準備運動は,スイングの質を向上させると考えられる.しかし,速いボールに対する打撃において,打球の質やインパクトの質が低下すると考えられる.このことから,重いバットの素振りよる準備運動は,バットを振りやすく感じるが,実際の打球に関しては悪影響を及ぼす可能性が示唆される.
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