2018 Fiscal Year Research-status Report
ベイズ統合モデルに基づく熟練者の打球方向予測能力の解明
Project/Area Number |
18K10890
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福原 和伸 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (10589823)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 知覚・認知 / バーチャルリアリティ / 事前分布 / 文脈情報 / 運動情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
僅かな判断の遅れが勝敗を決める対戦競技では,対峙者の行動結果を素早く的確に予測する能力が求められる。従来,熟練者の優れた予測能力を支える知覚情報処理は,対峙者の行動文脈とその運動特徴を瞬時に捉えるためとされてきた。本研究の目的は,テニス競技の打球方向予測に着目し,熟練者が事前分布の「文脈情報」と最新に得る「運動情報」の2つの感覚信号をどのように統合し活用するのかについて,ベイズ統合(Kording and Wolpert, 2004)の考えに基づき明らかにすることである。心理物理学的手法を用いた知覚判断実験では,バーチャルリアリティ(VR)技術を駆使して対峙者の文脈(コートポジション)と運動(打球動作の方向性分)の両情報を任意に操作し,熟練者が予測時に採用する最適化情報の利用方略を特定する。
本年度は、ベイズ統合実験で用いる実験系ならびにVR環境の構築に尽力した。VR構築ではテニス場面を設定し,対峙者となるテニスアバターの運動情報を誇張表示する方法に成功した。結果の一部は、申請書提出前に実施していた実験データが蓄積していたこともあり、国際学会(NASPSPA2018)ならび国内学会(体育学会)にてポスター発表をおこなった。なおすべての実験系の設定や仮説構築については,オランダのアムステルダム自由大学にて共同研究ならびにミーティングにて議論した。Mann准教授(アムステルダム自由大学),中本准教授(鹿屋体育大学)との議論・アドバイスにより,申請書では詰めきれなかった研究の論理構成を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実験実施に先立ち、ベイズ統合実験の検証ならびに、それに必要なVR環境の整備ならびに、実験仮説の詳細な検証を実施することができた。また学会発表による議論に基づき、テニスアバターのモーションデータの不具合を確認することができたため、それを修正することで解決することとした。よって、ベイズ統合実験を実施できる準備が大まかに整ったといえる。以上から,評価をおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度構築した実験系ならびにVRシステムを利用して、計画通り実験を実施する予定である。また本年度も、Mann准教授ならびに、連携研究者の中本准教授からの研究知見に基づき、テニス選手の予測がベイズ統合に基づいているかを検証する。
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Causes of Carryover |
実験系の調整に時間がかったことや、論文投稿に至らなかったため、一部の研究費は次年度に持ち越すこととした。2019年度は、本課題におけるVR実験の補助機具、実験参加者謝金ならびに英文構成に利用予定である。
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