2019 Fiscal Year Research-status Report
ベイズ統合モデルに基づく熟練者の打球方向予測能力の解明
Project/Area Number |
18K10890
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福原 和伸 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (10589823)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 予測 / アバター / 誇張動作 / バーチャルリアリティ / テニス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目標は、昨年度設定した実験系を完成させ、テニス熟練者がベイズ統合に基づく予測を行うかを検証するための、実験を実施することであった。
昨年度の課題であった「アバターのモーションデータの不具合」は、動作フェーズに合わせて誇張シミュレーションをすること、さらにもう1名のモーションデータを追加することで解決した。予備実験では、テニス動作の打球方向成分を操作した誇張に対する、打球コース予測への影響について予備実験を行った。その結果、熟練者のコース予測は誇張度合が高くなるにつれて判断精度が高まるものの、初心者の予測はアバターの動作誇張が高まったとしても、その判断精度はフラット(変化なし)になることが確認された。本アバターモデルでは初心者の判断を十分に評価できていない可能性があるため、誇張度合を再構成した。実験系は完成したものの、コロナ禍の影響により実験が中断している状態である。
本研究の一部は、2019年6月にドイツにて学会発表を行ない、総説論文に発表した。また本年11月、研究協力者であるDavid Mann氏(アムステルダム自由大学)が来日したため、本学と鹿屋体育大学にて研究ミーティングを実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度1月期にこれまでの問題を解決したVR環境が完成したが、コロナ禍の影響により実験が中断している状態である。
|
Strategy for Future Research Activity |
アスリートを対象とした実験を実施できる場合、完成したVR環境を用いてテニス熟練者の予測が最適化した情報選択を行うベイズ統合を行っているかを検証する。もしアスリートを対象とした実験ができない場合、初心者を対象とする知覚トレーニング研究に切り替えることで、成果を出すことに努める。
|
Causes of Carryover |
本年度は研究協力者が来日したため、予定していたオランダ渡航がなくなり、その予算消化を行わなかった。またコロナ禍のため実験が中止になったため、謝金を消化できなかったことにある。
|