2019 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Research of Reformation of Extracurricular Activities called as Black in Japanese school
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18K10892
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
千葉 直樹 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (20389662)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 「ブラック部活動」 / 外部指導者 / 中学校 / 小学校 / 企業連携 / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年4月に、前年度の調査結果をまとめ、国際スポーツ社会学会で研究発表を行った。研究題目は、日本の中学校部活動への民間スポーツクラブの外部委託に関する研究であった。この発表では、東京都杉並区の外部指導者派遣事業に参入するリーフラスの事例を調べ、企業連携型の課題について明らかにした。杉並区では、公立中学校向けに「部活動活性化事業」を2015年以降行ってきた。この事業では、スポーツ指導に不安がある顧問の部活動に対して、リーフラス等の企業からスポーツ指導者を週1~2回程度派遣している。指導者派遣に関わる年間の区予算は、3250万円から4千万円程度であった。一方で、ソフトテニスなどの指導者の確保、部活動指導員への民間企業の締め出し等の課題が明らかになった。さらに、民間企業による指導者派遣には、一定の予算が必要になり、都市部では可能性があるが、地方の市町村では経費の面で導入に課題があることがわかった。 2019年5月から11月まで、部活動関連の先行研究の要約や情報収集を行った。特に小学校での部活動廃止に関する問題について調べた。名古屋市は、教員の負担軽減のために、2020年度限りで公立小学校の部活動を廃止することを発表した。さらに豊橋市でも、2020年度限りで52校ある小学校全ての運動部活動を廃止することを発表した。こうした問題に関して、私は、名古屋市教育委員会と民間スポーツクラブの担当者を対象とするインタビュー調査を行うために所属大学に研究倫理申請を12月に行った。12月にはスポーツクラブ担当者との事前打ち合わせを行った。2020年2月から調査を始める予定であったが、新型コロナウィルスの感染拡大のために調査を中止した。また3月中旬に英国を訪問し、イングランドの民間スポーツ指導者派遣会社や保健体育教員とのインタビュー調査を予定していたが、この問題のために調査を断念した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、2020年3月にイングランドを訪問し、スポーツ指導者派遣会社や保健体育教師へのインタビューを行う予定であった。また、愛知県内の小学校における部活動の廃止に関して、2月から3月に名古屋市教育会や豊橋市教育委員会、スポーツ指導者派遣会社の担当者にインタビューする予定であった。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、イギリスへの訪問と愛知県内での調査を全て中止した。今後、この問題が終息した後に、再度調査を行う予定である。このような社会状況の変化により、当初計画した研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年11月にアメリカの学校部活動を視察し、両国の部活動の利点と課題を検証し、日本の部活動に生かせる点を比較検討する予定であった。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大のために、アメリカへの訪問は直前まで現地の動向を精査した上で、延期するかどうかの判断を行う。また前年度に行う予定であったイギリスでの現地調査と愛知県内の小学校部活動廃止に関するインタビュー調査も延期にした。このために、前年度の調査計画の遂行を優先に行う。新型コロナウィルスの問題がいつ終息するか見透しがはっきりしないために、関連する文献研究やインターネットを使ったインタビュー調査の可能性について検討する。
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Causes of Carryover |
2020年3月中旬にイギリスでの現地調査を予定していた。新型コロナウィルスの感染拡大のために、2月末にイギリス行きの往復航空券とホテルでの宿泊を全てキャンセルした。今回の不測の事態のために、調査自体を延期したために旅費を次年度使用額として先送りした。新型コロナウィルスの終息が確認されてから、今年度か2021年度に再調査をする予定である。
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