2018 Fiscal Year Research-status Report
加温によるヒートショックプロテイン発現が睡眠、競技パフォーマンスを改善する可能性
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18K10894
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
和田 匡史 国士舘大学, 理工学部, 教授 (00320101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地神 裕史 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (30468970)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 加温 / 入浴 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は10月にオーストラリア・パースで行われたオーストラリアスポーツ医学会をはじめ、国際学会および国内学会にて研究成果の発表を行った。 健康な成人を対象に様々な入浴法(シャワー、足浴、水道水、炭酸泉)による身体加温を行い、それぞれの加温における効果を検証した。数種類の湯温、湯種、入浴時間に対する入浴前、中、後の脳波、筋電図、体温を測定した。測定の前に被検者には、実験計画および測定における危険性のないことを十分に説明し、インフォームドコンセントを得た。また、国士舘大学理工学部倫理委員会の承認を得て測定を行った。被検者には、脳波用電極および筋電図用電極を装着した。脳波計(国士舘大学設置)、無線筋電図(国士舘大学設置)測定装置および深部体温計(国士舘大学設置)を連続的に生体信号計測装置によって記録した。睡眠行動解析装置(国士舘大学設置)は、入浴前の定常状態から入浴後1日間行う。脳波、筋電図から睡眠(non-REM、REM sleep )・覚醒(wake)リズム、深部体温から体温リズムを分析し、睡眠の質を検証した。その結果、シャワー浴よりも全身入浴の方が睡眠潜時が短く、睡眠の質も高い傾向を示した。人工的に作った炭酸泉浴を行ったところ、睡眠潜時、睡眠の質がさらに向上する傾向がみられた。 全身入浴による身体加温をすることで睡眠状態が向上したことは、加温によるHSP発現増加が身体に影響を与えたことが示唆されたと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加温による睡眠状態についての測定が順調に行うことができたと考えている。しかし、被検者数がまだ少ないため、次年度は当初の予定よりもさらに被検者数を増やして測定を行う予定である。また、昨年同様に2019年度も国際学会や国内学会での発表を行い、現在行っている方法について、また結果の検証方法について議論を重ねていきたい。 共同研究者(研究分担者、連携研究者)とも研究会議の時間を増やし、より正確なデータの取得に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
前年の測定結果をもとに、身体加温によるHSP発現と筋肥大、筋力発揮の関係を調べる。前年同様、測定の前に被検者には、実験計画および測定における危険性のないことを十分に説明し、インフォームドコンセントを得る。被検者に入浴による身体加温(水道水入浴、人工炭酸泉入浴)によってHSP発現を増加させる。腕部および脚部における最大筋力を発揮するような短時間激運動および間欠的な筋パワー発揮運動を課す。筋電図測定装置(国士舘大学設置)によって、筋放電量の計測および解析を行う。また筋肥大をみるために、超音波画像診断装置(国士舘大学設置)や、MRI(国士舘大学ハイテクリサーチセンター設置)によって骨格筋量を測定する。
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Causes of Carryover |
当初、物品で購入予定の測定装置が、製品のモデルチェンジで中古品の購入となったため、購入金額が安く抑えられたことから、次年度予定の国際学会の出張旅費に充てることとした。
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Research Products
(3 results)