2018 Fiscal Year Research-status Report
運動とペプチド点鼻投与による抗肥満作用の全容解明ー分子ネットワーク解析からー
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18K10901
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
竹ノ谷 文子 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (30234412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲志 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70299329)
RAKWAL RANDEEP 筑波大学, 体育系, 教授 (70590850)
塩田 清二 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 教授 (80102375)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ペプチド / 運動療法 / 抗肥満作用 / 肥満関連遺伝子発現 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、摂食抑制作用を持つ抗肥満ペプチド(ガラニン様ペプチド:GALP, ニューロペプチドW:NPW)を用い、運動と併用し、効果的で効率的な肥満解消を試みた新規の運動療法作成を試みている。このペプチドと運動の両者を併用して最大限に抗肥満作用を発揮させるためには、詳細な遺伝子レベルのでの解析や、運動の条件設定を検討した上で運動療法のデザイン作成が必要がである。 本年度はこれまで我々が行ってきたペプチドの中からGALPを中心に解析し、GALPの投与方法および運動負荷法の検討、またGALP投与による脳内ニューロンネットワークの解析、さらには骨格筋および肝臓などでの遺伝子発現を調べた。その結果、GALP投与は摂食量の減少が起こるものの、短期の摂食促進効果も見られることから、2週間以上の長期投与が望ましいことが明らかになった。さらに運動は回転かごレベルでも体重減少などの抗肥満作用が確認された。また、GALP投与により脂質代謝や糖代謝関連遺伝子が亢進するが、経時的により発現量の強弱が見られることが明らかになった。このような結果から、GALPは回転かご運動と併用することによって、より抗肥満が見られるが、GALPの投与のタイミングの検討と運動時間や強度などの詳細な検討も必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GALP投与による抗肥満効果は、経時的に2層的な作用があることから、GALP投与のタイミンの検討に時間を要した。また、GALPの投与方を非侵襲的な点鼻投与で検討を行うことを目標にしているが、その投与方が完全に確立されていないことも、研究の遂行をを遅らせる原因になった。しかし、GALPの抗肥満効果を遺伝子レベルで解析するには、腹腔投与で行っても問題はないことから、今後のGALP投与のタイミング、さらいは運動強度設定などを検討した上で、GALP投与と運動の有無による抗肥満作用を比較して行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はGALP投与と運動の併用による抗肥満効果作用を明らかにするため、運動の有無による効果の違いを、脳内の肥満関連ペプチドの発現量および臓器・骨格筋の肥満関連の遺伝子発現、さらには生化学的解析(インシュリン、血糖値など)から比較検討を行う予定である。まず、GALP投与の抗肥満作用の効果は経時的に差が見られる事を考慮した上で、運動療法のデザインを検討する必要があるため、GALPの投与のタイミング(運動の前後)、運動時間、さらには運動強度の違いによる抗肥満効果の違いを比較検討し、最も抗肥満効果が得られる条件設定を検討していくいく予定である。さらに、本年度中に運動デザインの条件設定を確立させ、肥満モデルマウスを用いてGALP投与と運動の併用による抗肥満作用の効果を検証したい。さらに検証後、その抗肥満作用の得られたマウスとコントロールマウスを用い、生化学的評価からの比較検討をす予定である。また両者の脳および臓器を摘出し、遺伝子解析からの比較検討も行いたい。また、本年度中に得られた結果は、積極的に学会発表や論文作成を行う。
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Research Products
(20 results)