2018 Fiscal Year Research-status Report
運動部活動における外部指導員制度の普及に向けた諸条件の検討
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18K10903
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
作野 誠一 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60336964)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動部活動 / 外部指導者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30(2018)年度の前半は主として文献研究を通じて課題の整理と研究枠組の精緻化を行った。今後の運動部活動の在り方を検討するには、国や地方の動向からも目が離せないことから、各種の関係法令、報告書などを丁寧に渉猟し制度的動向について把握することにつとめた。またこれまでに報告されている体育科教育学、教育社会学、スポーツ社会学、スポーツ経営学などの個別研究を整理し、より広い視野から現在の到達点の把握と課題抽出をおこなった。さらに今後の学校と地域(学校外)との連携のあり方それ自体をテーマとする生涯学習論、社会教育学の研究についても広く渉猟し、とくに地域スポーツ経営の観点から重要な論点を整理するとともに、今後の研究の枠組構築のための知見を得た。 これらの成果の一部は、社会教育・生涯学習に関する著書として公開されている(手打明敏・上田孝典編著(2019)『社会教育・生涯学習』ミネルヴァ書房.所収,作野誠一「11-3「地域スポーツの施設と人材」,11-4「地域スポーツの推進団体」11-5「体育・スポーツ活動における学社連携」pp.164-172)。本書では、地域スポーツをめぐる体育・スポーツ施設と外部指導者を含む人材の現状について整理するとともに、多様に存在する地域スポーツの推進団体の現状、そして学校と地域社会の連携あるいは関係構築に関わる問題を地域スポーツと運動部活動の立場からか論じている。このようにして2年目以降の研究に向けた理論的基盤を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、平成30(2018)年度の後半に外部指導員制度の先進事例地域の調査を実施する予定であった。しかし、上記書籍の執筆作業に思いのほか時間をとられたため、当初計画が若干遅滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31/令和元(2019)年度前半は、先述の事例調査を速やかに実施しその結果をもとに外部指導員制度の普及に向けた条件に関わる仮説モデルを作成する。このモデル構築にあたっては、いくつかの事例について補足的な調査を継続して実施したい。ここまでの作業は、翌年度に実施予定の全国調査の基本フレームづくりと位置づけている。今年度の後半は、最終年度に実施を予定している質問紙調査の項目作成を行いたい。調査の基本方針は、行政(運動部活動の所管)および学校(校長/体育主任)を対象として、仮説モデルに示された内容の評価(期待度-実現度)を行うことである。基本的な調査戦略は、同一の問いに対する行政サイドと学校サイドの認識ギャップ、そして自治体規模等の属性による差異と傾向について明らかにすることであり、これらを念頭に置いて調査票がデザインされることになる。なお、来年度の調査に向けて、調査対象のサンプリングもこの時期に行うこととしたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた事例調査研究が諸般の事情のため実施できず、そのための費用を持ち越すことになった。今年度の研究予定で述べたとおり、今年度の早いうちにこの調査を行うこととしたい。
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