2020 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋を形作る筋芽細胞融合の制御機構におけるSTAT6分子の役割に関する研究
Project/Area Number |
18K10904
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
黒坂 光寿 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40553970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90509952)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | STAT6 / 筋芽細胞融合 / 骨格筋 / 筋再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体においてSTAT6が筋芽細胞融合に関与しているかどうかを実験モデル(筋損傷・再生)および遺伝子改変動物(STAT6ノックアウトマウス)を用いて明らかにすることを目的とした。被験動物は、雄性のSTAT6ノックアウトマウス(n=5)およびコントロールとして野生型マウス(n=5)とした。全てのマウスの前脛骨筋に対して筋損傷を引き起こす薬剤(Cardiotoxin)を投与し、投与後5日後に前脛骨筋を摘出し、組織染色によって筋横断面積および筋線維当たりの中心核数を、qPCR法によって筋再生に関わる分子の遺伝子発現量を評価した。その結果、STAT6ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して筋再生している筋横断面積が有意に大きかった。また、STAT6ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して筋線維当たりの中心核数が有意に多かった。さらにSTAT6ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、筋分化マーカーであるMyoD、Myogeninおよび筋再生時に見られるeMyHCの遺伝子発現量が有意に高かった。したがって、生体内においてSTAT6の欠損は、筋分化および筋芽細胞融合を促進することが明らかとなった。次年度は、STAT6ノックアウトマウスから筋芽細胞を単離し、STAT6が筋分化および筋芽細胞融合を制御するメカニズムを明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大により、当初予定していた実験の一部を実施することができなかったため以上の結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、培養実験によってSTAT6が筋芽細胞融合を制御するメカニズムを明らかにする予定である。具体的には、STAT6ノックアウトマウスおよび野生型マウスから筋芽細胞を単離し、筋分化および筋芽細胞融合に関わる候補分子を遺伝子およびタンパク質レベルで比較検討し、STAT6が筋芽細胞融合を制御するメカニズムを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により当初予定していた実験の一部が行えなかったため次年度使用額が生じた。次年度に試薬の購入に使用する予定である。
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